台湾代表の開幕2連勝の戦いぶり
オープニングラウンド開幕戦で、台湾代表は2019プレミア12の準優勝の韓国代表と台北ドームで対戦。約39,000人の大観衆を集めた。
試合は早々と動き出す2回裏に、陳晨威(チェン・チェンウェイ)選手のグランドスラムと岡山県共生高校出身の陳傑憲(チェン・ジェシェン)選手の2ランが飛び出し、一挙6点を先制する。
投手陣は、2024プロスペクト第7位の、アリゾナ・ダイヤモンドバックス 林昱珉(リン・ユーミン)投手が先発登板。最速151キロのキレのあるストレートにチェンジアップとスライダーを交え、5回途中を2失点と幸先いいスタートを切る。
2番手では、元バファローズ、ライオンズの張奕(ジャン・イー=ちょう やく)投手が、イニングまたぎという難しい状況を、最速152km/hの剛球を軸に3分の2イニングを投げ、無失点の好投。4番手では、今季台湾プロ野球(CPBL)で好成績を残した元マリーンズの陳冠宇(チェン・グァンユウ)投手が8回表1イニングを無失点に抑えた。5投手の継投で台湾が6対3と勝利し、張奕投手に白星がついた。
第2戦は、キューバとの初戦を6対1で勝利したドミニカ共和国との対戦。初戦を勝利したチーム同士の対戦は接戦となる。
3回表、江坤宇(ジャン・クンユー)選手のソロで1点を先制するが、投手戦が続く。迎えた8回表、今季のCPBLで自身3度目の首位打者に輝いた林立(リン・リー)選手の犠飛で貴重な追加点を挙げた。
投げては、先発の黄子鵬(ファン・ズーポン)投手(背番号69・30歳)が6回無安打無失点の好投。2対0のリードで迎えた8回裏に1死2塁のピンチの場面では、ベンチの信頼の厚い陳冠宇投手の名前が開幕戦に続き、アナウンスされた。厳しい場面での登板だが、台湾地元ファンの「チェンチェン大丈夫」のコールが台北ドーム内に響き、大きな後押しを受けることとなる。
1人目の打者は打ち取った当たりが二塁内野安打になり、1死1、3塁にピンチが拡大するも、2者連続スプリットで三振を奪い、ガッツポーズでベンチに戻った。台湾代表は9回に1点差とされるが、投手陣の踏ん張りもあり、最小失点で試合終了を迎え、2連勝を飾る。
張奕投手「元気な姿で戻ってこられて幸せ」
――開幕戦の韓国戦で150km/hのストレートを連発。素晴らしいピッチングでしたが、ご自身でパフォーマンスを振り返っていかがでしたか?
昨シーズンは怪我があり、思ったようなパフォーマンスを果たすことができませんでした。しかし、自分自身を信じて、元気な姿で戻ってくることができ、良い結果をあげることができたのは、サポートしてくださったみなさまのおかげです。
――昨シーズンは怪我で苦しんでいた張奕投手の姿を知っている日本のプロ野球ファンは、張投手の2024プレミア12開幕戦の活躍を嬉しく思っているのでは
なんとか、元気な姿で戻ってきてみなさまの前で投げることができたことは、私自身にとって非常に幸せな時間でした。
――前回のプレミア12ではベストナインに選ばれました。久しぶりの国際大会の舞台は?
5年前と、現在では違いが多くあります。例えば、今回は初めて台北ドームで初めて国際大会が開催され、私は前回と違う心境で投げていました。
――最後に、今年のオフでは、張奕投手の出身大学の後輩である林冠臣(リン・クァンチェン)外野手が埼玉西武に入団されます。ぜひ、一言コメントを
林選手のみならず、多くの台湾出身の選手が日本のプロ野球に挑戦します。自分を信じて、プレーしてほしいなと思います。応援しています。
陳冠宇投手「パ・リーグ出身3選手で東京(ファイナルラウンド)へ行きたい!」
――開幕戦に続き、厳しい場面での登板となったドミニカ共和国戦では、1人目の打者の打ち取った当たりが、二塁内野安打になり、1死1、3塁のピンチを迎えました。その時の心境は?
厳しい場面での登板でしたが、自分に与えられた任務を果たすことだけを考えていました。まだ失点はしていなかったですし、球を低めに集めることができれば、ダブルプレーがとれる状況でしたので、気持ちを切り替えました。
――後続を抑えた時に、陳投手は大きなガッツポーズをし、ベンチに戻った際にはチームメートが熱く出迎えていました
チームメートはお互いが信頼している関係なので、彼らは私に力を与えてくれる存在です。2者連続三振でダグアウトに戻った際は、チームメートが喜んでくれて嬉しかったですし、彼らのサポートにも感謝しています。
――今回の台湾代表には3名の元パ・リーグチーム所属の選手(陳冠宇投手、張奕投手、郭俊麟投手)がいらっしゃいます。みなさまの2024プレミア12での活躍を願う日本のファンに一言コメントを
かつては、台湾でのパ・リーグの放送・配信により台湾のファンが我々3名のプレーを見ることができました。現在、我々3名は台湾に戻りましたが、今回のプレミア12を通じて、私たちの良いパフォーマンスを発揮して、3名でスーパーラウンドが開催される東京に行きたいです。
2試合を終えて、陳冠宇投手が痺れる場面で連投し、好リリーフ。張奕投手は先発投手の後を受けて、好投し白星をあげる。幸先の良いスタートを切ったことは日本のプロ野球ファンにとっても嬉しいことではないだろうか。今後も、元パ・リーグ所属選手を中心に台湾代表のパフォーマンスに注目をしていきたい。
※情報は11月14日時点のもの
文・髙木 隆
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