熱望・青木との対戦は左前打「完全な力負け。いい勉強になった」
北海道日本ハムの宮西尚生投手が15日の東京ヤクルト戦(札幌ドーム)で史上2人目の300ホールドポイントを達成した。
同点の7回に3番手で登板して無失点に抑えると、その裏に打線が勝ち越し、勝ち投手に。プロ11年目で救援の勝利は30勝目。270ホールドと合わせて300ホールドポイント(HP)となった。
「そろそろかなとは思っていたけれど、気付いたのは投げ終わってから」と笑いながら打ち明けた鉄腕。「今年の1勝目や今日のように、同点から勝ったということは流れを呼び込めているということ。ホールドよりも目立たないけれど、300もしっかり投げられたんだなと思う」と話す表情は誇らしげだった。
マウンドでは記録のことよりも、開幕前から熱望していた選手との対戦に夢中だった。2死を奪った後、打席に迎えたのは昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表でチームメートだった青木宣親。「ツーアウトになったので、青木さんとの1対1を楽しみたかった。メジャー前も対戦していたけれど、WBCですごさをあらためて感じ、今年一番対戦したいバッターだった」と明かす。
カウント0-2と追い込んだ後、スライダーを2球連続見極められた。最後はスライダーを左前に弾き返され、思わず苦笑いした。「うまい、さすがだなと思った。そこまで甘くないボールだったけど、ボールの内側に目付けをしていた。完全な力負け。いい勉強になった」。
勝負を楽しんだ後は、気持ちを切り替え、次打者の荒木貴裕をフルカウントから140キロ直球で空振り三振に仕留め、雄叫びを上げた。
その裏に大田泰示が勝ち越し打を放ち、日本記録まであと3と迫っているホールドではなく、勝ちがついた。日本記録へのカウントダウンは足踏みしたが、チームの勝利が何よりうれしかった。「最近、なかなかホールドシチュエーションがなかったので、久しぶりに(ホールドが)つくかなとは思ったけれど、チームが勝つことが全て」と笑い飛ばした。
通算324ホールドポイントを記録している巨人・山口鉄也投手に続く大台到達。栗山英樹監督は「絶対的に信頼している。もっともっと数字を伸ばしていると思うし、感謝している」と祝福した。
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