いま会いたい選手は? オリックス通訳・藤田義隆さんが印象に残っている3選手

パ・リーグ インサイト 海老原悠

(左から)アダム・ジョーンズ氏、藤田義隆さん【写真・球団提供】
(左から)アダム・ジョーンズ氏、藤田義隆さん【写真・球団提供】

 40年のキャリアのなかで120人以上を担当してきたオリックス・バファローズの通訳、藤田義隆さんに、これまでに近鉄とオリックスに在籍した外国人選手で、特に印象に残っている選手を挙げてもらった。

前編はこちら

ドン・マネー氏(1984年近鉄在籍)

 藤田さんがいま会いたい選手は? と尋ねると、1984年にわずか3カ月、29試合の実績しかない内野手、ドン・マネー氏を挙げた。当時2年目の藤田さんは新米通訳として担当した。

「私が近鉄に入団した当初の選手は70歳くらいになっていると思うので、そういった選手はどうしているのかなと思います。最近の選手はSNSで様子を見られるので、昔の選手に会ってみたいなと思いますね。入団して2年が経った頃に在籍していたドン・マネー選手のことをいまでも思い出します。奥さんからは、マネー選手が数年前に野球を引退して、今は孫に野球を教える生活をしているといった近況を知らせるメールが来たことがあります。

 あれから40年近く経ったので、選手と一緒に来ていた子どもたちも、おそらく40歳は過ぎていると思うんですよね。彼らがどんなふうになっているのかなという興味はありますね。当時小学生だった子どもが2人いて、小学校の送り迎えもしたり、奥さんと買い物に行ったり、夕食をご馳走になるといった生活をしていました。彼らも40歳を超えたと思うと感慨深いですね」

タフィ・ローズ氏(1996〜2003年近鉄、2007〜2009年オリックス在籍)

 言わずと知れた日本プロ野球界での貢献。日本への慕情とチームメイトとの仲睦まじいエピソードをいまだ口にするローズ氏は、藤田さんの目には非常にクレバーな印象に映ったという。

◇タフィ・ローズ氏のインタビューはこちら。
https://pacificleague.com/news/26008

「来日したときは、ものすごく身体の線が細い選手でした。クリス・ドネルス選手と一緒にサイパンでキャンプをしていたのですが、当時の評価はドネルス選手の方が高かったのです。ローズ選手は身体の線が細いということで、キャンプを視察していた評論家の方も『ちょっとなあ……』という印象を抱いていましたが、蓋を開ければ、後々の記録をほとんど塗り替えたと言ってもいいくらいの成績を残したのは、ローズ選手でした。

 来日した当初は、ホームランの数もそれほど多くはなかったのですが、何年か後に身体をしっかり鍛えてからはホームランを量産するようになって、55本のホームランにつながっていました。その後巨人に移籍して、巨人を辞めてから1年間は野球をせず、ブランクがあったにも関わらず、オリックスに戻ってきてからホームランを42本、打点も96という数字を残したので、本当に驚くばかりでした。

 あと、日本語を覚えるのがものすごく早かったです。来日1年目くらいから、言葉を覚えるために意味を聞いてきたり、すぐに日本の環境に馴染んで、日本の友人と過ごすことによって日本語が上達していました。本当に日本語をわかっていたんだろうなとは思いますが、インタビューのときは正確さが大事なので、通訳を通していました。でも場合によっては、インタビュアーが質問したことを私が訳す前に、先に答えてしまうことも時々ありましたね(笑)」

アダム・ジョーンズ氏(2019〜2021年オリックス在籍)

 ジョーンズ氏はキャリアのラストを日本で過ごした経験と、藤田さんへの計り知れない感謝を数々のメディアで語っている。彼のTwitterでは藤田さんの愛称「Fuji」とチームを鼓舞する言葉がたびたび登場する。2年間という短い間だったが、藤田さんとの出会いが日本での思い出のひとつとなっているのだろう。

「メディアですごくよく言ってくれているみたいで、ちょっと恥ずかしいくらいです(笑)。彼は話し上手ですし、経験も豊富なので、彼と過ごした2年間は本当に中身の濃いものでした。彼はいろんな質問をしてくれて、本当にたくさん喋ったなと思います。普通、二人きりでいると話題は尽きてしまうと思うんですが、彼は好奇心旺盛で、話題が尽きることなくどんどん話をしてきてくれました。

(藤田さんと行動を伴にすることが多かった)私がちょっと離れていると、名前を呼んで探してくれるということがしょっちゅうありました。それで彼の抱えている疑問について話して、本当にずっと一緒にいましたね。ただコロナ禍で、一緒に食事へ出かけられなかったことが残念でした。(ジョーンズ氏のSNSで藤田さんの退職を示唆していたがジョーンズ氏に連絡は?)いえ、伝えていません。でもどこからか伝わったのでしょうね」


文・海老原 悠

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