安樂智大~モデルチェンジを遂げた怪物。リリーフで大車輪の活躍を狙う~(東北楽天ゴールデンイーグルス)【インサイト的選手名鑑】

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2022.3.6(日) 18:07

東北楽天ゴールデンイーグルス・安樂智大投手(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・安樂智大投手(C)パーソル パ・リーグTV

安樂智大(あんらく・ともひろ)/投手

#20/1996年11月4日生まれ
186cm・87kg/右投左打


 済美高校から2球団競合の末、2014年のドラフト1位で楽天に入団。済美高校では2年春の甲子園に出場すると、2年生エースとして全5試合に登板したうち、4試合連続完投の活躍でチームを準優勝に導いた。一方で、同大会において772球を投げたことについては、高校野球における登板過多の問題として、日本中で大きく取り上げられた。

 楽天入団後はファームで2年間育成する方針があったものの、ルーキーイヤーとなった2015年はイースタンで19試合に登板し、49イニングを投げて、防御率2.57の成績を残すと、シーズン最終盤に一軍に昇格。プロ初登板ではこの年のパ・リーグ覇者である福岡ソフトバンクを相手に6回無失点の好投を見せて、球団初となる高卒新人での初登板初勝利の快挙を成し遂げた。

 翌16年は夏場以降先発ローテーションの一角に定着し、3勝を挙げるなど、高卒2年目として順調にステップアップを果たした。しかし17年以降は相次ぐ故障に見舞われると、一軍での登板機会も減少するとともに、18年からは2年連続で未勝利となる苦しいシーズンが続いた。

 そして右肘の手術明けで臨んだ2020年シーズンからは、本格的に中継ぎに転向。開幕が延期となったこともあり、開幕一軍の座を勝ち取ると3年ぶりとなる白星を挙げる。要所での好投を積み重ねた安樂投手は、徐々に存在感を発揮。最終的には27試合に登板して1勝0敗5ホールド、防御率3.48と、リリーフとしての可能性を示すシーズンとなった。

 迎えた昨季は序盤から中継ぎ陣の一角を担うと、信頼を勝ち取った後半戦からは勝ちパターンに定着。自己最多となる58試合に登板し、3勝3敗2セーブ22ホールド、防御率2.08の好成績を残し、プロ7年目で遂にブレイクを果たした。かつて甲子園を沸かせた最速157km/hの剛腕は、現在140km/h台の速球とチェンジアップを武器に緩急を使った投球術で抑え込むスタイルに。モデルチェンジを遂げた「怪物」は今季も大車輪の活躍でチームを支えていく。

【2021年一軍成績】
58試合3勝3敗 22H 2S 56.1回 50奪三振、防御率2.08 WHIP1.38


文・和田信

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