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バッテリーを組む森友哉のサインに何度も首を振り… プロ初勝利の埼玉西武・渡邉勇太朗が見せた“度胸”

2021.8.18(水) 09:00 Full-Count
先発した埼玉西武・渡邉勇太朗※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)
先発した埼玉西武・渡邉勇太朗※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)

プロ初先発で5回4安打1失点、味方打線も大量援護

■埼玉西武 10対2 楽天(15日・メットライフ)

 埼玉西武・渡邉勇太朗投手が15日、本拠地メットライフドームで行われた楽天戦でプロ初先発(リリーフでは今季8試合登板)。5回4安打1四球1失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。打線も12安打の猛攻で援護し10対2で大勝。高卒3年目・20歳の右腕が先発ローテに定着すれば、5位低迷中のチームにとって浮上の原動力となりうる。将来的にも非常に楽しみな存在だ。

 191cm、91kgの体格に秘められた豊かな潜在能力が花開こうとしている。立ち上がりから最速149km/hの速球、カットボール、スプリット、カーブなどを駆使し、危なげない投球を披露。しかし6対0と大量リードして迎えた5回、無死1、2塁のピンチを背負うと目の色が変わった。

 打席には売り出し中の辰己。カウント3-2から、渡邉は森友哉捕手のサインに5度首を振り、ロジンに手を伸ばし、さらにもう1度首を振って、またロジンを手にした。「あの場面は絶対に後悔したくないと思い、一番自信のあるインコースのカットボールを投げたくて、そういうサインを出してもらいました」と明かす。プロ初先発とは思えない堂々たる態度だ。

 こうして投げたカットボールで辰己を三ゴロに仕留めたが、併殺はならず1死1、3塁。続く小深田もゲッツーコースの二ゴロに打ち取ったが、二塁手・外崎の二塁へのトスが高く浮き、一塁走者はセーフ。この間に1点を許した。

5回のピンチで「絶対に後悔したくなくてカットボールを投げたかった」

 この回限り76球で降板。首脳陣からは「どうする?(6回も)いけるか?」と続投を打診されたが、「『疲れました』と言わせてもらいました」と屈託のない笑顔を浮かべた。

 埼玉・浦和学院高時代に甲子園を沸かせ、ドラフト2位で埼玉西武入り。1年目の2019年、この年に巨人から移籍してきたベテランの内海哲也投手に“師事”した。元巨人エースで既に功成り名を遂げた内海が、故障に苦しみながらも黙々と練習に取り組む姿に、プロの何たるかを見た。「技術的な話はあまりしませんが、私生活の送り方などを教えていただいています」と言う。

「内海さんが先発する時、自分はいつもメッセージを入れるのですが、(プロ初先発のこの日)内海さんからは来なかったです。ちょっと寂しいですね」と茶目っ気たっぷりに笑い、「内海さんと一緒に先発ローテで回りたいです」と目を輝かせた。

 そして「自分らしさを貫いて、内海さんのような偉大な選手になりたい。周りに流されず、信念を持って、地道に一歩ずつ成長していくことが、自分らしさだと思っています」と、もう1度内海の名前を出した。

 今年6月に一軍初昇格。まずはリリーフで8試合に登板し、先発のチャンスをつかんだ。辻監督は「今日は味方があれだけ大量点を取ってくれて、楽に投げられたのではないか」と釘を刺した。内海がそうだったように、実績と背中でチームを引っ張る“エース”になるには、まだまだ勉強することがたくさんありそうだが、その資質は十分持ち合わせている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

記事提供:Full-Count

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