栗山巧~生え抜き初の2000本安打へ。進化を止めない円熟の巧打者~(埼玉西武ライオンズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト 成田康史

2021.2.24(水) 18:30

埼玉西武ライオンズ・栗山巧選手(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・栗山巧選手(C)パーソル パ・リーグTV

栗山巧(くりやま・たくみ)/外野手

#1/1983年9月3日生まれ
177cm・85kg/右投左打


 育英高校から2001年のドラフト4巡目で西武ライオンズに入団。同じく2巡目で入団した中村剛也選手とは、2021年で20年来のチームメイトということになる。プロ入り後2年間はファームで経験を積むと、3年目の2004年9月24日、大阪ドームで行われた近鉄戦にてプロ初出場初安打を記録。この一打から、球団史に名を刻む巧打者のキャリアがスタートする。

 2007年に外野のレギュラーポジションをつかむと、翌年は打率.317、167安打を記録。最多安打のタイトルを獲得し、自身初となるベストナインに輝く活躍で、チームのリーグ優勝と日本一に貢献した。その後は2010、2011年に2年連続で打率3割を達成。2010年にはゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、攻守に渡ってチームに欠かせない存在となる。2012年からは5年に渡って主将を務め、精神的支柱として獅子の屋台骨を担ってきた。

 主将から退いた2017年以降は、故障の影響や若手選手の台頭もあり出場機会が減っていた栗山選手。2017年は10年ぶりに規定打席未到達となると、翌年も代打での出場が増え2年連続で400打席を下回った。続く2019年も3年ぶりの規定打席到達となった一方で打率.252と完調には至らなかった。

 そんな中で迎えた2020年。栗山選手は19年目にしてさらなる進化を遂げる。開幕2戦目の猛打賞を皮切りに、6月は打率.345、7月も好調を維持して打率.309と幸先良いスタートを切ると、シーズンを通してチームトップの打率.272、同2位の67打点を挙げる活躍。得点圏打率.330が示す勝負強い打撃がシーズンを通して光った。さらに本塁打数はキャリアハイに並ぶ12本を記録し、指名打者部門で初のベストナインに輝いた。

 2004年に大阪ドームで放った一打から、19年目までに積み重ねてきた安打は1926本。「ライオンズ生え抜き」としては初となる金字塔へ、そして「骨と牙」としてチームを支える中村選手とともに日本一に向けて、歩みを止めないいぶし銀は来季もバットを振り続ける。

【2020年一軍成績】
111試合 428打席101安打12本塁打67打点 打率.272 出塁率.362 OPS.790


文・成田康史

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