入団会見の記憶も新しいままキャンプ地に合流し、さらにブルペン入り。順調すぎるほど順調な調整をみせ、ますます過熱する田中将大投手をめぐる報道。ともあれば当然、球団のビジネス部門にもダイレクトに“マー君効果”が表れているという。楽天野球団のチケット担当、グッズ担当、ファンクラブ担当にそれぞれ話を聞いた。

“マー君効果”は球団ビジネスにも

「10月くらいから毎年翌シーズンのハーフシーズンシートを販売開始しますが、1月までの3カ月間で問い合わせは150件くらい。それが、田中選手入団のニュースが出だして正式に記者会見した5日間で同様の150件くらいの問い合わせが来ました」と語るのは、営業本部チケットセールス部の村嶋 大部長。

　楽天生命パーク宮城で開催される試合数のうち半分の試合数を観戦できる、ハーフシーズンシート。その販売数は入団発表前は約2800席だったのが、入団発表後の1週間で3000席を超えた。特に80万〜150万円のボックスシートや、20万〜50万円台のプレステージシート、VIPシートといった高額のシートが軒並み売り切れや残りわずかとなっており、「当初は新型コロナの影響もあったことから、どこまで効果があるかなと思ったのですが、率直な感想を言うと想定以上に田中選手効果がありました」と村嶋部長は話す。

　今年から新しくなったファンクラブ「チームイーグルス」を担当する、マーケティング本部マーケティング部の一ノ瀬玲奈部長もこのフィーバーは「完全に想定外だった」と話す。田中選手の加入が決まった途端に、入会者数は新規・継続含めて約1500名増と、前の3カ月と比べて約2倍以上という盛況ぶり。「一瞬システム障害かと思ったくらいでした」と一ノ瀬部長は振り返る。「このインパクトとお客様のウェルカムバックな感じを、何かファンクラブとして形にしたいな考えていて、星野仙一さんの『1001クラブ』以来の、田中選手個人のファンクラブを作る構想を練っています」

　グッズ販売においてはさらに顕著だ。事業本部MD・コンセッション部の渡辺誉志部長は、「2013年に優勝した時と同じくらいの勢いで売れています」と証言する。「ユニフォームは、昨シーズン開幕までの“全選手の”販売数が約2000枚だったのが、田中選手の入団後は約5000枚。My HEROタオルはデザイン公表前だったにもかかわらず、会見後に3000枚を売り上げました」。文字通りの“千両役者”っぷりだ。あまりの殺到ぶりに「受注生産でよかった」と渡辺部長から本音が漏れるほどだった。

　2月10日からは2013シーズンのMy HEROタオルの復刻デザインも受注販売開始とあって、当時を知る知らない関わらずさらなるフィーバーが予想される。誰しもが想定していなかったタイミングで現れた救世主は、球団ビジネス側にも語り継がれる伝説を残していたのだ。

information

楽天イーグルスの2020・2021シーズンのMy HEROタオル柄「TOHOKU カモフラ」に4色のカラフルなカラーをちりばめた田中選手らしいデザイン。さらに、2月10日より日本一となった2013シーズンのMy HEROタオルの復刻デザインもオンラインショップで受注販売開始。

田中将大選手2021My HEROタオル
発売日時：1月30日（土）18時から発売中　2月28日まで受付
販売価格：1,200円（税込）
販売場所：楽天イーグルスオンラインショップ
https://www.rakuten.ne.jp/gold/rakuteneagles/
※受注販売のため、3月下旬以降順次お届け予定商品

田中将大選手応援タオル［2013復刻版］
発売日時：2月10日（水）10:00～2月19日（金）23:59
販売価格：1,600円（税込）
販売場所：楽天イーグルスオンラインショップ
https://www.rakuten.ne.jp/gold/rakuteneagles/
※受注販売のため、4月下旬以降順次お届け予定商品

田中将大選手コメント
復刻する5色のタオルは目立ちますし、マウンド上からでもよく見えたのを覚えています。
そして今回の新しいタオルも映えるデザインです。
ファンの方々が僕のタオルを掲げて声援を送ってくれる。
そんな光景がまた見られることを楽しみにしています！

文・海老原 悠

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