現在、パ・リーグ首位を突っ走る埼玉西武。その躍進を支えているのは、間違いなくリーグ屈指の打線だろう。4月27日現在、チーム打率は12球団トップタイの.282を誇り、スタメンには3割打者がずらりと並ぶ。
不動の1番に5ツールプレイヤー、2番にミスター・三塁打、3番に絶好調のキャプテン、4番に打点王・本塁打王。捕手までもが全員打率3割以上をマークしており、どの打順からでも得点を狙える攻撃力は脅威だ。ただ、打撃好調の選手がいるのは一軍だけではない。
実は、ファームには規定打席に到達し、打率が3割を超えている選手が3人もいる。金子一輝選手、西川愛也選手、斉藤彰吾選手だ。今回は、この3人について紹介したい。
5年目とルーキー。一軍未経験の原石
まずは金子一選手。埼玉西武の「金子」と言えば、金子侑司選手を最初に思い浮かべるかもしれない。実際のところ金子一選手は、プロ5年目でまだ一軍の舞台を経験していない。
ただ、憧れの舞台に向かうための階段は着実に上っている。昨季、イースタン・リーグでは103試合に出場した。今季は4月27日現在で打率.376を記録するなど好調を維持し、打率ランキングトップに君臨中。まだ内野守備には粗さが目立つものの、正三塁手の中村選手が抹消されたこともあり、念願のデビューに向けて追い風は吹き始めている。
次に、ドラフト2位ルーキー・西川選手だ。夏の甲子園を制した花咲徳栄高校時代から高い打撃センスを見せ付け、その身にかかる期待も大きかった。しかし、西川選手の可能性は我々の想像を軽々と超えてきた。
二軍デビュー戦となった3月18日の巨人戦でいきなりプロ初安打を放つと、以降も調子を落とすことなく安打を量産。4月27日現在、打率はリーグ6位タイの.324を記録している。高卒1年目の19歳としては、文句のつけようのない活躍と言えるだろう。
ただ高校時代の大ケガの影響で指名打者での出場が続いている。焦ることなく、大きく成長していってもらいたいところだ。
プロ初がサヨナラ3ラン男
最後に斉藤選手を紹介したい。2015年には一軍で103試合に出場した斉藤選手だが、一軍レギュラーの座はまだ手にできていない。ただ、来るべき時に向けて準備は万端。今季は、課題とされてきた打撃でもイースタン・リーグ2位の打率.353を記録している。
一軍の外野手には秋山選手をはじめ、外崎選手、栗山選手など球界屈指の好打者が揃うが、シーズンを通して全員が万全の状態を維持することは難しい。もしもの事態が起きたとき、好調の斉藤選手が控えていれば、チームは勢いを失わずに戦える可能性もあるだろう。
現在一軍で4番に座り、異次元の打棒を見せ付けている山川選手もファームで結果を残し、一軍昇格後に大ブレイクを果たした。ファームの試合を気にかける機会は少ないかもしれないが、近い将来埼玉西武を担うだろう若獅子にもぜひ注目してほしい。
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