岸孝之、下妻貴寛バッテリーが4回表に奪った3者連続三振。「カーブを投げずにカーブを意識させた」配球

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2020.11.6(金) 21:57

東北楽天ゴールデンイーグルス・岸孝之投手(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・岸孝之投手(C)パーソル パ・リーグTV

 楽天イーグルス、横浜DeNA、埼玉西武と3球団に渡って活躍した渡辺直人選手の引退試合となった今試合。2球団を通じて7年間、同じユニフォームを着て共に戦った岸孝之投手が9回2失点の好投を見せ、楽天が勝利をつかんだ。

 打線は3回裏に渡辺直選手の二塁打をきっかけに2点を先制すると、4回裏にも1点を追加。序盤から援護をもらった岸投手は、5回までに9個の三振を奪うなど好投を披露した。なかでも先制点をもらった直後の4回表は、3者連続三振に抑える圧巻の投球。ここでは、試合の主導権を握ったその配球に注目したい。

 岸投手は、緩いカーブと鋭い直球の『緩急』を組み合わせて打者を翻ろうする投球スタイルが持ち味。今試合でも3回表までに投じた54球の内、およそ24%の13球がカーブと、緩急を用いながら1安打無失点に抑えていた。しかし、クリーンナップから始まった4回表は唯一、カーブが「0」球のイニングだった。

 先頭の外崎修汰選手に対しては、ストレートとスライダーで追い込むとカウント2-2からの5球目で高めの直球を投じ、空振り三振を奪った。続く4番・栗山巧選手には全球外角の厳しいコースへ直球。精密なコントロールに栗山選手は一球も手が出ず、3球三振に。続く5番・中村剛也選手もストレートで空振り三振に抑え、3者連続三振でこの回を締めた。

 4回表はカーブを1球も投じなかったことに加え、決め球はすべてストレート。下妻貴寛選手が「カーブを1球も使わずにカーブを意識させる」という見事な配球を見せ、リードに応える岸投手の精密なコントロールも光ったイニングだった。

 岸投手・下妻選手の息のあったバッテリーは、その後も埼玉西武打線を要所で抑える投球を続け、9回2失点完投勝利。渡辺直選手の引退試合を白星で飾った。

文・小野寺穂高

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