デニス・サファテ~名球会まであと16セーブ。怪我からの復活を期すクローザー~(福岡ソフトバンクホークス)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト

2020.4.25(土) 17:00

福岡ソフトバンクホークス・サファテ投手 (C)パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・サファテ投手 (C)パーソル パ・リーグTV

デニス・サファテ/投手

#58/1981年4月9日生まれ
193cm・102kg/右投右打


 150km/h中盤をコンスタントにたたき出す、打者を圧倒するような剛速球が最大の武器。並みいる強打者たちから空振りを奪うことのできる強烈な直球は、「わかっていても打てない」という領域に達している。2011年に広島に入団し、来日初年度から57試合で35セーブ、防御率1.34と見事な成績を収めると、2013年に移籍した埼玉西武でも58試合で9勝1敗16ホールド10セーブ、防御率1.87と場面を問わずに好投を見せた。

 翌2014年からは福岡ソフトバンクに戦いの場を移すと、その投球はさらに進化を見せる。4年連続60試合登板&防御率1点台、3年連続最多セーブ&40セーブ、日本新記録のシーズン54セーブといった、驚異的な記録を次々と打ち立てた。54セーブを記録した2017年には、最多セーブに加えてMVPと正力松太郎賞も受賞し、「キング・オブ・クローザー」という渾名にふさわしい圧倒的な存在感を放っていた。

 順調に日本でのキャリアを歩んでいたが、2018年の4月に右股関節を手術し、わずか6試合の登板とシーズンの大部分を棒に振ることに。2019年は春季キャンプでチームに合流してからも状態は上がらず、一軍登板なしに終わった。それでも2020年は順調に調整を重ね、オープン戦では3試合に登板し復活を予感させたが、家庭の事情や古傷の状態も影響し、一軍復帰は叶わないままシーズンを終えた。

 本人も意欲を見せる名球会入りの基準となる通算250セーブまではあと16だが、2020年10月には再び右股関節を手術し、復帰は不透明。球界最高のクローザーとして君臨した名投手は過去最大の逆境を乗り越え、外国籍投手では初となる金字塔を打ち立てることができるだろうか。

(2021/1/19追記)

文・望月遼太

サファテ投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事

福岡ソフトバンクが誇る「キング・オブ・クローザー」。サファテ投手がプロ野球新記録となるシーズン47セーブを達成
このシーズンは最終的に前人未到のシーズン50セーブを超え、年間54セーブという大記録を樹立。防御率も1.09と0点台に迫る圧巻の数字であり、MVPや正力松太郎賞を受賞するのも納得といえるほどの、まさに歴史的な投球を繰り広げた。

リハビリ中のサファテが内川2000安打を祝福ツイート「ウチ、オメデト」
リハビリ中の鷹サファテも日本一に歓喜守護神・森を絶賛「誇りに思う」

サファテ投手はTwitterを頻繁に用いてファンに向けて情報を発信したり、ファンとの交流を図る積極性も持ち合わせている。チームメイトやかつての同僚に称賛や応援のメッセージを贈ることも多く、そんなSNSの使い方からも、助っ人右腕が持つ仲間思いで義に厚い性格の一端がうかがえるところだ。

鷹サファテが心痛……西日本豪雨被災地への支援求む「私たちにできる手助けを」
米国でリハビリを行っている最中の2018年7月に発生した西日本豪雨に対して、サファテ投手は大きく心を痛めていたようだ。治療に向かう途中で車を側道に停めてメッセージを録画し、ホークスの本拠地である福岡や、かつて在籍した広島をはじめとする被災地の人々に対して励ましの言葉を贈ると共に、あらためて被災地への支援を呼び掛けている。


鷹サファテ、348日ぶり実戦復帰 最速144キロでも、工藤監督「投げられたこと収穫」
2020年3月3日のオープン戦に登板したサファテ投手。指揮官もかつてのクローザーの実戦復帰を評価し、このまま復活も期待されたが、シーズン中の復帰は叶わなかった。

☆サファテ投手の動画はこちらから!

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