8月1日、メットライフドームで行われた埼玉西武と福岡ソフトバンクのカード最終戦。両軍合わせて25安打、4時間を超える熱戦は、福岡ソフトバンクが11対10で埼玉西武に勝利した。
まず先手を取ったのは福岡ソフトバンクだった。1回表、埼玉西武・松本航投手に対し、2死から内川聖一選手が安打で出塁すると、4番・デスパイネ選手が真ん中に入った直球をフルスイング。鋭いライナー性の打球は、あっという間に右翼席に突き刺さる先制の24号2ランとなった。
しかし、埼玉西武も攻勢を仕掛けた。2回裏、福岡ソフトバンク・大竹耕太郎投手に対し、メヒア選手の安打などで1死1,3塁とする。ここで7番・金子侑司選手が膝元へ死球を受けて一度担架で下がったものの、気合の復帰で1死満塁とチャンスを拡大。木村文紀選手の犠飛で1点差に迫ると、続くルーキー・佐藤龍世選手が「スタメンで起用していただいたので、後悔のないように、思いっきり行こうと思って打席に入りました」と走者一掃の2点適時二塁打を放ち、スタメン起用に一発回答。1塁走者の金子侑司選手は膝の痛みを感じさせない激走で、逆転のホームを踏んだ。
埼玉西武に傾きかけた流れを、福岡ソフトバンクが再び引き寄せる。3回表、先頭の栗原陵矢選手の安打を皮切りに、牧原大成選手の安打、今宮健太選手の適時打であっという間に同点に追いつく。これだけでは終わらず、デスパイネ選手が適時打を放って逆転に成功。2死からこの日、誕生日の上林誠知選手にも適時打が生まれ、福岡ソフトバンクがスコアを5対3とした。
逆転を許した埼玉西武は直後の3回裏、森友哉選手の適時打、メヒア選手の犠飛で計2点を奪い、すぐさま同点に。さらに2死満塁とすると、打席には再び佐藤龍世選手。三遊間への深い当たりが適時打となって逆転に成功し、敵失も絡んで1点を追加。埼玉西武がリードを2点に広げた。
満員のメットライフドームの熱気に後押しされたように、両チームに安打が乱れ飛ぶ。4回裏、メヒア選手が左中間を破る2点適時二塁打を放って埼玉西武がリードを4点に広げる。しかし、直後の5回表には上林選手が右翼席に11号3ランを叩き込み、福岡ソフトバンクがすぐさま1点差に。両チーム合わせて19安打の乱打戦は、埼玉西武が1点のリードを保って後半戦に突入した。
後半戦、快音を響かせたのは福岡ソフトバンク打線だった。6回表、デスパイネ選手が3番手・森脇亮介投手の高めに浮いた変化球を完璧に捉えて左中間に運ぶ25号ソロ。主砲の今日2本目となる一発で同点に追いついた。これで勢いに乗った打線は、続く7回表に牧原選手の2点適時二塁打で勝ち越しに成功した。
このままでは終われない埼玉西武は7回裏、佐藤選手がこの試合3本目の適時打を放ち、1点差に。なおも同点のチャンスだったが、ここは福岡ソフトバンクの5番手・高橋純平投手が追加点を許さず。福岡ソフトバンクが1点のリードを保って試合は終盤2イニングへ。
このまま逃げ切りたい福岡ソフトバンクは継投策を展開。8回裏を甲斐野央投手が最速157キロの剛速球で抑え込むと、9回裏は守護神・森唯斗投手が締めて試合終了。両軍合わせて25安打の打撃戦は、11対10で福岡ソフトバンクが勝利した。
文・吉田貴
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