ドラフト6位の田宮は高卒5人組の中で唯一の甲子園未出場
■北海道日本ハム 0-0 横浜DeNA(オープン戦・3日・札幌ドーム)
北海道日本ハムのドラフト6位ルーキー、田宮裕涼捕手が3日、横浜DeNAとのオープン戦に途中出場。自慢の強肩を披露した。
ベンチ、そして地元ファンの度肝を抜く名刺代わりの1投だった。8回、マウンドに上ったドラフト7位の福田俊投手がストレートの四球を与えた直後、次打者の初球に代走の宮本がスタートを切る。左打者の外角に構えていた田宮は逆球となった内角寄りのボールを捕球すると、二塁へ矢のようなストライク送球。余裕でアウトにした。
「すごく緊張しましたが、あそこしかいいところがない。絶対に刺してやろうと、待っていました」と18歳捕手は胸を張った。
リードでも年上の投手に物怖じしなかった。7回にマスクをかぶると、玉井と組んで2番から始まる横浜DeNA打線を3者凡退。続く8回も強肩でピンチを救うと、打者3人で片付けた。「テレビで見た人たちが打席に立っていて、プロ野球選手になったんだなと思いました」という初々しい言葉が嫌味に聞こえるほど堂々としたプレーぶり。7回に回ってきた打席ではパットンに3球三振したものの、初球をしっかり振り切り、全体的に非凡さを印象付けた。
ドラフト1位の吉田輝星投手ら同期入団した高卒5人組の中で唯一甲子園未出場。知名度ではほかの4人に劣るが、俊敏な身のこなしから二塁送球タイム1.8秒台の強肩を誇り、千葉県高校選抜で主将を務めた逸材だ。
この日はフル出場した2位の野村佑希内野手と4位の万波中正外野手が3打数無安打。試合に出場したルーキー5人の中で、田宮が最も強烈な足跡を残した。
二盗を刺したボールを記念にもらって「うれしいです」とあどけない笑みをこぼした田宮。初の1軍体験を終えると「ピッチャーに信頼されるキャッチャーになりたいです」と目を輝かせ、2軍本拠地の鎌ヶ谷へ向かった。
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