地元の千葉出身も、ファンは「甲子園組の方が多かったかな」
北海道日本ハムのドラフト6位・田宮裕涼捕手が9日、千葉・鎌ヶ谷で行われた新人合同自主トレに臨んだ。「みんなとできて楽しかったです。プロ野球選手になった実感が湧きました」と初々しい表情で自主トレ初日を振り返った。
球場に訪れたファンは約700人。地元の千葉出身だけに「ファンがいるのかな」と密かに期待していたという。「でも、甲子園組の方が多かったかな。ゆくゆくはみんなから人気のある選手になりたいです」と笑った。
ドラフト1位の吉田輝星投手に加え、ドラフト2位・野村佑希内野手、ドラフト4位・万波中正外野手、ドラフト5位・柿木蓮投手と高卒同期は4人とも甲子園で活躍した。現時点での知名度では劣るが、目標の大きさは負けていない。目指すのは「パワー系ではなく、俊敏系の素早いキャッチャー。巨人の阿部さんプラス新しい捕手像で、走れるキャッチャーになりたいです」と語った。
捕手らしく、早くも面倒見の良さを発揮している。「話を聞くのは好き。みんなすごくしゃべりますよ」と仲間の話に耳を傾ける。吉田と柿木から頼まれた起床係も快諾。この日も午前7時15分に2人の部屋を訪ねた。「(吉田)輝星はベッドに横になっていて『もうそんな時間か』と言っていました」と笑った。
寮生活だった高校時代は、起こしてもらう方だった。「でも、2人を起こすには寝坊できない。自分が頑張って起きることが、自分にとってメリットです」というポジティブ思考の中に性格の良さがにじみ出る。キャラの立つ選手がそろう高卒組の中で、独特の存在感を放ちながらプロの階段を上がっていく。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)
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