「単に偉大な選手に与えるものではない」ドミニカ共和国大使館がレイエスに功労賞を贈呈した理由

パ・リーグ インサイト 高橋優奈

北海道日本ハムファイターズ・レイエス選手(左)ペレス駐日ドミニカ共和国大使(右)©H.N.F.
北海道日本ハムファイターズ・レイエス選手(左)ペレス駐日ドミニカ共和国大使(右)©H.N.F.

 6月12日、北海道日本ハムファイターズのフランミル・レイエス選手が、駐日ドミニカ共和国大使館から功労賞を受賞した。同賞受賞は野球選手として初めてのこと。では、なぜドミニカ共和国大使館はレイエス選手を表彰するに至ったのか。そして、それは両国においてどのような意味があるのか。エドワード・アニバル・ペレス・レジェス駐日ドミニカ共和国大使に聞いた。

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 レイエス選手は来日初年度から25本塁打を放ち、翌年に32本塁打、90打点で二冠を獲得すると、3年目の今年は長打力に加え、リーグトップの打率.327と確実性も見せている(7月24日時点)。しかし、ペレス大使が称えたのは、単に成績だけではない。

「この功労賞は、単に偉大な選手に与えるものではありません。レイエス選手は日本文化も大変理解していて、真摯に向き合っている選手です。成績はもちろんのこと、プレー以外の面でもお手本になるような方で、ドミニカ共和国の子どもたちにも『こんな選手になりたい』といった憧れの選手として、彼の姿勢をもっと知ってもらいたいという思いから表彰しました」

 異国の地の生活に順応し活躍する選手は、母国の人々にとって誇りであり希望となっているだろう。また、このような選手の存在は、日本とドミニカ共和国の野球界の発展にも大きな影響をもたらしている。

 NPBでプレーしたドミニカ共和国出身選手は、1971年からの55年で180名を超え、特に2020年代だけでも50名以上がプレーしている。この増加傾向の背景には、過去の選手の活躍があるとペレス大使は語った。

「プレーや人間性など、今までの選手たちの行動が信用につながっているのだと思います。ドミニカ共和国の選手にも、日本のプロ野球は条件やレベルの高さといった魅力が伝わっています。これまでの選手たちのおかげで、日本のチームは『こんな選手が欲しい』、ドミニカ共和国の選手は『こんなところでプレーしたい』と、よりお互いの魅力を感じるようになったのだと思います」

トニ・ブランコ氏から贈呈されたというバット。ドミニカ共和国出身のトニ・ブランコ氏は2009年から2016年にわたりNPBでプレーし、本塁打王・打点王のタイトルを獲得するなど日本のファンを熱狂させた【パ・リーグインサイト撮影】
トニ・ブランコ氏から贈呈されたというバット。ドミニカ共和国出身のトニ・ブランコ氏は2009年から2016年にわたりNPBでプレーし、本塁打王・打点王のタイトルを獲得するなど日本のファンを熱狂させた【パ・リーグインサイト撮影】

母国ではヒーロー的存在。日本でも愛される選手に期待すること

 ドミニカ共和国の選手を「色がある」と表現したペレス大使。野球をリスペクトし、心から楽しむ気持ちや情熱を前面に出しながらプレーしているという。そんな選手たちは、母国では「我が町のヒーロー」として親しまれているようだ。

「例えば、レイエス選手はスターになる前から多くのファンが応援し、成長の過程を見守っていました。若手が経験を積むドミニカン・サマーリーグは遠征が多く、選手が各地に行ったときに、地元のファンは成長中の選手を見守ります。またオフシーズンのウィンターリーグでは、サマーリーグで活躍した選手を応援したり、MLBや日本から戻ってきた選手の姿を見たりすることもあります」

 母国のファンからの声援を受けながら、日本で奮闘している選手たち。ペレス大使が彼らに期待することとは。

「ドミニカ共和国の選手がプレーしている姿をテレビで見ることが増え、選手のみなさんをとても近くに感じています。才能を持った選手たちがどんどん日本に来ているので、みなさんに活躍してほしいと思っています。

レイエス選手に関しては、彼個人だけではなく、チームとしてもぜひ優勝してほしいですね。札幌各所へ表敬に訪れたとき、札幌市長、北広島市長、そして北海道知事と『ファイターズが優勝した際には、エスコンフィールドや札幌で楽しくお祝いをしましょう』と約束してきました。それが叶えばいいなと思います」

「ドミニカ共和国DAY」で来場者に配布したレイエス選手のスイングタオルを持つペレス大使【パ・リーグインサイト撮影】
「ドミニカ共和国DAY」で来場者に配布したレイエス選手のスイングタオルを持つペレス大使【パ・リーグインサイト撮影】

 最後に、ペレス大使から日本のプロ野球ファンへメッセージ。

「今年は、ドミニカ共和国と日本の外交樹立92周年で、日本人がドミニカ共和国に移住して70周年という記念の年です。この長い間、お互いの関係を深め合ってきました。その歴史のなかで、野球が架け橋の存在になっています。ドミニカ共和国でも日本の野球が好きという方がいますし、日本でもドミニカ共和国の選手が好きな方がいますね。

野球を通じて、ドミニカ共和国の文化を知ってもらいたいと思いますし、ぜひともドミニカ共和国に来て野球を見てもらえたらうれしいです。また野球だけではなく、ドミニカ共和国には綺麗なビーチや美しい山といった観光名所もたくさんあります。私たちの国のことをもっと知ってもらえたらいいなと思いますし、そのようなきっかけをたくさん提供していきたいなと思います」

インタビュー・文 高橋優奈

記事提供:パ・リーグ インサイト

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