「夢みたいなベースラン」。埼玉西武の元気印が「らしい」プロ初安打・初本塁打

パ・リーグ インサイト

2018.9.19(水) 23:11

埼玉西武ライオンズ・山田遥楓選手(C)PLM
埼玉西武ライオンズ・山田遥楓選手(C)PLM

歓喜の「熱男」ポーズは声が裏返った。9月19日の北海道日本ハム戦、埼玉西武・山田遥楓(はるか)選手がプロ初安打を初本塁打という最高の形で記録し、チームの勝利に貢献した。

第2打席の4回2死2塁、舞い上がった打球はそのまま左中間席へ飛び込んだ。「ガムシャラに走って、ボールがどこに行ったかわからない状態でした」。夢中で二塁ベースを回ったあたり、ようやく本塁打を自覚した。「ファンの人たちがワーッと盛り上がったので、入ったのか、と。夢みたいなベースランでした」。

ベンチに戻るなり福岡ソフトバンク・松田宣選手ばりの「熱男」ポーズで絶叫。「今までやりたかったので。こぶしを突き上げました」。祝福ムードのベンチはそのまま爆笑の嵐に変わった。

試合は源田選手、浅村選手の一発を含む12安打12得点の大勝。阪神から今季、埼玉西武に加入した先発の榎田投手が10勝目を挙げ、こちらもプロ初となる2桁勝利を手にした。

山田選手はプロ4年目の21歳。昨年は二軍戦106試合に出場し6本塁打と、着実に力をつけた。今季一軍デビューを果たすと出場7試合目、7打席目で初安打、初本塁打。「手ごたえというよりも、不思議な感覚でした」と振り返った背番号52について、起用した辻監督は「最高の形。僕もうれしい。元気があるところが彼の魅力」と、評価した。

チームはこれで6連勝。優勝マジックはついに1桁の9となった。原動力は、6試合で56得点という驚異的な攻撃力。レギュラー陣の好調ぶりが、終盤のチームの快走を支えている。

内野手でも、一塁・山川選手、二塁・浅村選手、遊撃・源田選手は1年間通してその座に君臨し、三塁にも好調の本塁打アーチスト、中村選手がいるという盤石な状況。この日は中村選手が指名打者としての出場だったことで、山田選手に出番が回ってきた。

「先輩方がすごい打力で、圧倒的な試合をしてきた。この中で野球をするのが不思議ですが、少しは戦力になれてよかった」と、お立ち台でうなずいた。今後もレギュラーを脅かすためのアピールが続く。

「まだまだ一軍の選手みたいに輝けないですが、チャンスをもらえたらモノにできるように頑張りたい」。謙虚さと野心が同居したような決意表明を口にした。

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