松本裕樹が防御率0.00、田宮裕涼は敵地で.313! レギュラーシーズン相性がよかったのは?【パーソル CS パ ファイナルステージ】

パ・リーグ インサイト

2025.10.14(火) 11:00

福岡ソフトバンクホークス・松本裕樹投手(左)北海道日本ハムファイターズ・田宮裕涼選手(右)【写真:球団提供】
福岡ソフトバンクホークス・松本裕樹投手(左)北海道日本ハムファイターズ・田宮裕涼選手(右)【写真:球団提供】

「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ」が10月15日にみずほPayPayドームで開幕する。今年も「SMBC日本シリーズ2025」出場をかけ、リーグチャンピオンの福岡ソフトバンクと2位・北海道日本ハムが短期決戦に臨む。

 レギュラーシーズンの対戦成績は13勝12敗で福岡ソフトバンクの勝ち越し。みずほPayPayドームでは福岡ソフトバンクが7勝、北海道日本ハムが5勝だった。

 それでは選手個人の対戦成績はどうだろうか。まずはホーム・福岡ソフトバンクの選手の対北海道日本ハム戦成績を見てみよう。

モイネロはHQSを6度達成&対戦防御率1点台

北海道日本ハム戦に先発した福岡ソフトバンクの投手 ©PLM
北海道日本ハム戦に先発した福岡ソフトバンクの投手 ©PLM

 最優秀防御率賞のモイネロ投手は今季24登板のうち、北海道日本ハム戦に8登板した。HQS(7回以上・自責点2以内)を6度達成しており、得意な相手といっていいだろう。

 最多勝の有原航平投手は7月1日に11奪三振完封勝利するなどQSを3度達成。大関友久投手も3登板でQS2度と好投している。松本晴投手は7月3日の試合で7回1失点(自責点0)、14三振を奪う快投を披露するなど、北海道日本ハム相手に2勝0敗だった。

杉山一樹&藤井皓哉はイニング数<奪三振数

北海道日本ハム戦で5試合以上登板した福岡ソフトバンクの主な中継ぎ投手の成績 ©PLM
北海道日本ハム戦で5試合以上登板した福岡ソフトバンクの主な中継ぎ投手の成績 ©PLM

 中継ぎ陣も好成績が並ぶ。最優秀中継ぎ投手賞に輝いた松本裕樹投手は、北海道日本ハム戦11試合に登板し、1点も許さなかった。藤井皓哉投手とセーブ王の杉山一樹投手も、イニング数をゆうに超える三振を奪っている。

山川穂高は8本塁打、野村勇が対戦打率.283

福岡ソフトバンクの主なバッターの北海道日本ハム戦成績 ©PLM
福岡ソフトバンクの主なバッターの北海道日本ハム戦成績 ©PLM

 首位打者の牧原大成選手は対戦打率.270。夏以降に調子を上げてきた牧原大選手は、北海道日本ハム戦においても8月・9月の9試合で複数安打を5度記録した。対戦打率.260の周東佑京選手は6盗塁を成功させている。山川穂高選手は9本塁打の対千葉ロッテ戦に次ぐ、8本塁打を北海道日本ハム戦で放った。

 今季ブレイクした面々では野村勇選手が打率.283と上々の数字。プロ10年目の川瀬晃選手は、5月20日に伊藤大海投手からプロ初本塁打となる勝ち越しアーチを打っている。しかし、牧原大選手と首位打者を争った柳町達選手は、意外にも北海道日本ハム戦で打率.187と苦戦していた。

 近藤健介選手が負傷により、ファイナルステージの欠場が見込まれている。それでも、レギュラーシーズンも離脱した選手の穴を埋めながら、勝ち上がってきた福岡ソフトバンク。パーソル CS パでも各選手の持ち味発揮に期待しよう。

伊藤大海はモイネロと6度投げ合う 北山亘基はQS3度の快投

福岡ソフトバンク戦に先発した北海道日本ハムの投手 ©PLM
福岡ソフトバンク戦に先発した北海道日本ハムの投手 ©PLM

 最多賞の伊藤大海投手は今季、モイネロ投手と6度投げ合うなど7試合に先発し、3勝3敗だった。4月29日に9回1失点に抑え込むなど、みずほPayPayドームでは3試合2勝1敗、防御率1.50の好成績だった。対戦防御率2.18の北山亘基投手は福岡ソフトバンク相手に4度QS達成。

 加藤貴之投手は3試合いずれも、みずほPayPayドームでの登板。5月28日は5.2回無失点と試合をつくった。7月2日は8.1回2失点も黒星。1対0の9回に2失点し、完封目前で逆転サヨナラ負けを喫してしまった。直近の対戦となった8月9日は3.1回4失点で敗戦投手に。ファイナルステージでも打線の援護を信じ、粘り強く投げられるか。

 古林睿煬投手はNPBでの初勝利を福岡ソフトバンクから挙げた。来日2度目の登板となった5月1日の試合で、7回10奪三振2失点の好投をみずほPayPayドームのマウンドで披露している。

リリーバー3投手が対戦防御率0.00

福岡ソフトバンク戦に5試合以上登板した北海道日本ハムの主な中継ぎ投手 ©PLM
福岡ソフトバンク戦に5試合以上登板した北海道日本ハムの主な中継ぎ投手 ©PLM

 8.1回で10奪三振の上原健太投手をはじめ、田中正義投手と齋藤友貴哉投手が防御率0.00を記録。ファイナルステージでも1点を争う展開になったときに頼もしい存在だ。

 また、ルーキーの柴田獅子選手はプロ2度目の登板が8月23日・福岡ソフトバンク戦だった。3点リードの6回から2番手で登板。併殺を奪い3人で1イニング目を終えると、続く回は3者凡退。3イニング目となった8回に2死から3連打でプロ初失点した。それでも2.2回37球4安打1失点。二刀流にチャレンジするドラフト1位プレーヤーの可能性を感じさせた。

ルーキーが王者相手に奮闘!

北海道日本ハムの主なバッターの福岡ソフトバンク戦成績 ©PLM
北海道日本ハムの主なバッターの福岡ソフトバンク戦成績 ©PLM

 ルーキーながらリーグ王者相手に、対戦打率.276と奮闘した山縣秀選手。特に9月9日の試合では、ここまでチームが打ち崩せずにいたモイネロ投手から、2打席連続アーチを放ってみせた。

 みずほPayPayドームでの成績を見ると、田宮裕涼選手が打率.313(16打数5安打)、1本塁打。伏見寅威選手も打率.308(13打数4安打)だった。今季福岡ソフトバンク戦で4本塁打の万波中正選手は、うち2本を敵地で打っている。

 昨季まで福岡ソフトバンクに所属した吉田賢吾選手は、シーズン序盤に古巣からプロ初アーチを打った。また、今川優馬選手も9月9日に3安打3打点の活躍でモイネロ投手の攻略に貢献した。

 気がかりな点があるとすれば、本塁打王のレイエス選手が福岡ソフトバンク戦では3本塁打にとどまったこと。みずほPayPayドームでも打率.088、0本塁打と仕事をさせてもらえなかった。ファイナルステージは敵地での開催だが、相性の悪さを吹き飛ばすようなバッティングを見せられるか。

文・菊地綾子

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