超満員のファンが詰めかけた「F FES 2024」で発表
11月30日に「エスコンフィールドHOKKAIDO」で行われた、北海道日本ハムのファン感謝祭「F FES 2024」にて、来年4月に開催される「エスコンフィールドシリーズ」の着用ユニフォームが発表された。新ユニフォームに袖を通した山﨑福也投手、伊藤大海投手、万波中正選手の堂々とした立ち姿に、エスコンフィールドに集まったファンからも熱い視線が注がれた。
この「エスコンフィールドシリーズ」特別ユニフォームは、今季4月に着用した「エスコンフィールド1周年シリーズ」の特別ユニフォームの進化系となる。きりりと締まったブラックに、エスコンフィールドの外観の輪郭をイメージした直線的なデザインの今季は、スタイリッシュな印象と、今季ひと皮むけたチームの強さの象徴として（なんと着用時の勝率は約7割！）、ファンからも好評を得た。
そして、来季のユニフォームは、エスコンフィールドの建築美と雄大な北海道の自然がシームレスに融合されたデザインとなった。昨年に続き、球場をモチーフにした革新的なデザインが特徴だ。
今季との大きな違いは、さわやかな北海道の空と、どこまでも広がる雲をデザインに落とし込んだところにある。さらなる高みを目指すファイターズとエスコンフィールドの姿と、チームの進化を象徴しているという。直線的な意匠が特徴的な今季のユニフォームと比べると、曲線が加わる分やわらかな印象だ。
ユニフォーム制作メンバーに、新卒4年目の若手社員を抜擢
この発表の日を特別な思いで見つめている人がいた。ファイターズ スポーツ＆エンターテイメント プロモーション部の佐藤優太さんだ。普段はテレビ・WEB広告まわりの業務に従事しており、このたび「エスコンフィールドユニフォーム」の制作に携わった。聞けば佐藤さんは、学生時代から12球団の本拠地球場へ赴いては、ユニフォームを買い漁っていたという「ユニフォームオタク」。
「私が学生だった2010年代は、さまざまな球団が限定ユニフォームや配布ユニフォームの企画・配布が流行り出したころでした。12球団でユニフォームが配布される日があれば、遠征してでもチケットを取るという、とにかくユニフォーム収集に熱心な野球ファンでした」
2021年にファイターズに新卒入社後も、佐藤さんはユニフォーム制作に携わる機会をずっとうかがっていたが、社内で「ユニフォームを担当したい」と言い続けていたところ白羽の矢が立ち、通常業務を続けつつ、「エスコンフィールド1周年シリーズ」のユニフォームを手がけることになった。この「エスコンフィールドシリーズ」ユニフォームは佐藤さんにとって3作目となる。特に「Baseballism」*とのコラボレーション実現には、期する思いがあったという。プライベートでも愛用するブランドで、新球場プロジェクト発足時からの念願だったのだ。
*Baseballism：アメリカ発祥のブランド。2023年に日本球界初のコラボレーションをスタートさせ、オリジナルデザインやエスコンフィールドHOKKAIDO内のホテル客室デザインなど、多岐にわたるコラボレーションを展開している。
“ユニフォーム好きのプロ野球ファン”から、実際に仕事でユニフォームと対峙するようになって、想像していたことと違うこともあるという。
「ひとつはファイターズのユニフォームといえば『刺繍』なのですが、これにこだわりがあって、『ファイターズのロゴにはそれくらい重みがあるんだよ』と先輩たちから教えられてきました。でも刺繍って重量があるんですよね。なので、選手が動きにくくならないような配慮の必要性や、装飾しすぎると生地が突っ張ってキレイに見えないということに、手がけるようになって初めて気付きました。
ふたつ目は、選手のリアクションがこんなに得ることができるんだということ。選手に実際に着てもらって宣材（写真）を撮るときに、選手も毎年ユニフォームを楽しみにしているということが伝わってきて、やりがいを感じます。
3つ目に、ユニフォームを作るときに誰が一番似合うかを考えたとき、球団の顔となる選手が着て、ばっちり決まるものにしたいと想定して作ります。そして実際にイメージしていた選手が着てみて、理想通りというか、理想以上だったとき。選手も感動してくれたり、喜んでくれたときには同じく嬉しい気持ちになりますね」
一番嬉しいのはイベントの当日、そのユニフォームで球場が染まっているときだという。
「試合が終わっても着続けてくださっている姿を見ると、やっぱり作ったものは残っていくのだなと思いますし、それだけ気に入って着てくださっているのかなって思うと、それもまた嬉しいですね」
こうして手がけたユニフォームが選手からもファンからも愛されていることに「背筋が伸びる感じ」と笑った。
ポイントは「背ネームの位置」と「ストッキング」
そんな佐藤さんに聞いた、今回の「エスコンフィールドシリーズ」の特別ユニフォームの推しポイントは「背ネーム」だという。
そもそも昨年は「背ネーム」をつけていなかった。昨今の推し活ブームの勢いもあり、「ファンのみなさんはやっぱり選手を推したいのでは」と新たに配置されることになった。
「背ネームは通常、背番号の上にありますが、このユニフォームは下についています。野球のユニフォームとしては結構珍しいのではないでしょうか。背ネームの文字数によってバランスが変わってきますし、選手のユニフォームの着こなしのなかには、ベルトが隠れるくらい裾を出して着る方もいれば、きっちり中に入れる方もいるので、ベルトに近いところに名前があると、そこの見え方が変わります。なので、さまざまな着こなしで対応できるよう、どの場所にどういうサイズで置くかはかなり検証したポイントです」
また、ユニフォーム同様、ブラックの素地に雲をイメージした柄が入ったストッキングにも注目。五十幡亮汰選手や中島卓也選手はストッキングを上げたオールドスタイルで穿くだろう。「私を含めた“オールドスタイルマニア”の方はぜひそこに注目してほしいなと思います」と佐藤さん。
「エスコンフィールドシリーズ」は、来年4月11日から8日間開催される。選手の背ネーム入りユニフォームの一般発売は11月30日から始まっている。来季が待ちきれない方も、F FESの余韻に浸りたい方も、まずはユニフォームから揃えてみてはいかがだろうか。
エスコンフィールドシリーズ
日程：2025年4月11日（金）～13日（日）・22日（火）・23日（水）・25日（金）～27日（日）
公式ページ：https://www.fighters.co.jp/news/detail/202400625403.html
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