試合のない月曜日に楽しみが生まれた。千葉ロッテマリーンズは、7月1日(月)から球団公式Podcast番組『Marines Monday Radio』を開始。毎週月曜日12時に新エピソードを公開し、2名の選手によるトークを配信している。
「選手の素の姿を見てもらいたい」という思いで始まった同番組のコンセプトは「野球の話は一切なし」。幼少期やプライベートな話をメインに、まさにここでしか聞けない話が繰り広げられる。
そんな『Marines Monday Radio』はどのようにして制作されているのか。今回、坂本光士郎投手&横山陸人投手ペア(8月26日配信)、茶谷健太選手&友杉篤輝選手ペア(9月2日配信)の収録に潜入取材。終始和やかな雰囲気で進んだ収録現場の様子をお伝えする。
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収録は8月中旬、ホームゲームの試合前にZOZOマリンスタジアム内の一室で行われた。
部屋に入るやいなや、企画の説明を受けた坂本投手と横山投手。台本に目を通し、第3回の配信から定番となりつつあるタイトルコール前のトークを打ち合わせ。最近よく聴く音楽やハマっている動画など、ちょっとしたエピソードを知ることができる部分だ。
選手のトーク力に委ねる場面も多々あるそうで、台本は作り込みすぎず、二人の自然な会話が生まれるようになっている。大まかな流れを確認すると、早速収録がスタートした。
ラジオでおなじみのテーマトークを行った二人は、カードに書かれたお題に沿って会話を広げていく。公式SNSで募集した「ファンからの質問」や、「野球選手ではない人生プラン」などのユニークなテーマにより、普段明かされない意外な一面が垣間見える。
仲が良い二人なだけにテンポの良い会話が展開され、リラックスした雰囲気のままエンディングへ。その後、番組の節目に挿入されるジングルをレコーディングして収録を終えた。
「僕たちの個人的な話ばかりしていたので、これがどう配信されるのか楽しみです。坂本さんが話した、自信のある体の部位がすごく独特で(笑)。そこを楽しみに聴いていただければと思います」と横山投手。
坂本投手も「普段一緒にご飯を食べに行っても野球の話をすることが多いので、私生活の話ができたのが楽しかったです。横山の『野球選手ではない人生プラン』を楽しみにしてほしいです!」とPRした。
続いて収録に参加した茶谷選手と友杉選手は、二人で協力して答えを出すクイズコーナーに挑戦。マリーンズやパ・リーグにまつわる問題に苦戦しながらも、和気あいあいと進行していった。
ラジオ出演が初めてだという友杉選手に感想を聞くと、「普段二人が会話しているところをファンの方が聞く機会はあまりないと思うので新鮮かなと。茶谷さんが好感度を狙っていて、いつもと違う様子がおもしろかったです(笑)」と笑顔。
一方の茶谷選手は「篤輝は喋っているだけで奇跡なので、篤輝のトークに注目してください」と“応戦”した。
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野球の試合がない日だからこそ、野球ではない話を
「マリーンズファンに向けては、野球の試合がない日に何か一つ楽しめるコンテンツをという思いで。月曜日は基本的に選手たちもオフなので、プライベートな話の方が自然かなと思いました。マリーンズファンではなくてもPodcastのアプリを開くことはあると思っていて、野球の話ではない方が幅広い層に興味を持ってもらえるのではないかと」
そう話したのは千葉ロッテマリーンズ広報室の和中一真さん。情報発信のプラットフォームとして、YouTubeとXのほかに新しいものを始めようという構想が広報室で上がるなか、主に若い世代が利用しているPodcastに着目。動画(YouTubeの広報カメラ)、静止画・文章(公式X)に加え、音声(Podcast)によって選手の素の姿を発信することとなった。
そして、球団公式Podcastを立ち上げた意図はもう一つある。
「選手たちはこれからメディアに出る機会も増えると思うので、話す練習になればいいなと。選手は喋りのプロではありませんが、インタビューでうまく話せるに越したことはないですし、いつか必ず引退の時がやってきます。引退後の解説や評論の仕事も、ある程度話せないとできないので、人前で話す場数を踏むというのもこの企画の意図にありました」
ゲストとして出演するオフシーズンのラジオ収録とは異なり、『Marines Monday Radio』では二人の選手が主体に。その分、選手たちはより自然体に近いという。
第3回・第4回の放送を担当した佐藤都志也選手と和田康士朗選手のペアは、佐藤選手が「和田選手推し」を公言していることから。第5回・第6回の国吉佑樹投手と鈴木昭汰投手のペアは、小島和哉投手と種市篤暉投手からのリクエストを受けて実現した。
「仲の良さが伝われば」と毎週二人の選手が担当しているが、「個人的には『ファンからの質問に答えます』『今日はこのテーマで話します』と、一人で回してもらうのもおもしろいと思っています」と和中さん。「小島投手や高部(瑛斗)選手は一人で話せそうですね。小島投手はラジオが好きで定番の番組は結構聴いているみたいですし、高部選手は伝え方がうまい。話がわかりやすいんです」と続けた。
番組ではラジオの定番であるテーマトークのほか、コーナー企画も実施。コーナーは選手同士の関係性を加味したうえで決めているという。
「第4回の『和田王』は、佐藤選手が和田選手のことを好きと言っているので、どこまで和田選手のことを知っているのか試す企画を。第5回で国吉投手に出演を打診したときには『昭汰と? 仕方ないからやってあげるよって昭汰に伝えて』と言われて、本人に伝えたところ『いやいや僕のセリフですよ』と返ってきて(笑)。それで、本当に仲が良いのかという設定で『答えを合わせましょう』のコーナーを実施しました」
試合中には見られない一面や選手同士の会話を楽しめる『Marines Monday Radio』。和中さんも「意外と知らない選手の姿が描かれていて、新たな推しが見つかるかもしれません」と話す。
そして、「通勤中や家事をしながらとか、気軽に聴いてもらいたいですね。このラジオをきっかけに、もっと選手のことを好きになってもらえたらうれしいです」と締めくくった。
千葉ロッテマリーンズ公式Podcast番組『Marines Monday Radio』概要
・配信日:毎週月曜12:00に最新話を配信
・視聴方法:Sportify・YouTube・Apple・Amazonの各Podcastアプリにて展開
・配信内容:テーマトーク、ファンからの質問コーナーなど
インタビュー・文 高橋優奈
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