活躍の場を求め新天地へ。日本を去る外国人選手の去就先まとめ

パ・リーグ インサイト

2023年のワゲスパック投手【写真:球団提供】
2023年のワゲスパック投手【写真:球団提供】

 2024シーズンも多くの新外国人選手と契約が結ばれたパ・リーグ。その一方で、27名の外国人選手(育成選手も含む)が日本を去ることになった。今回は、そんな選手たちの去就先をまとめて紹介する。

マイナーリーグが8名 その他は中南米・東アジアのリーグへ

 3月28日時点で、去就先が判明しているのは17名。その内訳は以下の通りである。

昨季限りで退団した外国人選手の去就先一覧(C)PLM
昨季限りで退団した外国人選手の去就先一覧(C)PLM

 最も多いのはMLBのマイナーリーグで8名。次いでメキシコリーグが4名である。マイナーリーグの球団に移籍した選手を見ると、ワゲスパック投手やブロッソー選手などアメリカ出身の選手が当然ながら多く、アメリカ出身で、昨季日本で一定の結果を残しながら韓国リーグに移籍したマキノン選手は珍しい部類である。ここからは数名の選手をピックアップし、移籍の様子を詳しく見てみる。

メジャー昇格を目指すマイナー組

 ワゲスパック投手はオリックスに2年間在籍。先発と中継ぎの両方で起用され、2022年の日本シリーズでは胴上げ投手となった。2024年1月16日(日本時間、以下同じ)、レイズとマイナー契約。上沢直之投手と一時的にチームメイトになる。

 3月10日のレッドソックス戦で3イニングを1失点に抑えるなどアピールを見せると、メジャーの40人ロースター枠を勝ち取った。再びMLBでの登板となれば、2020年以来4年ぶりとなる。

 しかし、メジャー昇格は簡単ではない。昨季最優秀中継ぎに輝いたペルドモ投手は、ナショナルズとマイナー契約も、オープン戦で7試合に登板し防御率7.71とふるわず。3月22日に放出が決定され、今後は他球団と再びのマイナー契約や、他国のリーグへの移籍などが考えられる。

福岡ソフトバンクでともに苦戦 ガルビスとアストゥディーヨはメキシコへ

 ガルビス選手とアストゥディーヨ選手はともにMLBから福岡ソフトバンクへ移籍も、日本で苦戦。両者ともメキシカンリーグで再起を図る。メキシコでは、春から秋にかけて行われるリーグと、ウインターリーグとがあり、今回両者が契約したのは前者のリーグに参加している球団。例年、ウインターリーグにはNPB選手も参加している。

韓国・台湾も主要な移籍先 王柏融は新たなチャレンジ

 韓国リーグと台湾リーグには5名の選手が移籍。なかでも王柏融選手は、今季から新たに一軍リーグに参入する「台鋼ホークス」で主将を務めることになった。その模様はこちらの記事でお伝えしているので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい。

 なお、外国人選手登録ではなかったが、昨季限りで埼玉西武を退団した張奕投手も、台鋼ホークスに「テスト生」として加入。王柏融選手とチームメイトとなる可能性もある。また、同じく埼玉西武を退団した呉念庭選手も、7月の台湾リーグのドラフトでの指名が確実視されており、NPBで奮闘した選手たちの更なる活躍が見られそうだ。

キューバのレジェンド・デスパイネ その打棒は健在

 デスパイネ選手はNPB在籍時から、オフにはキューバの国内リーグで試合に出場している。その国内リーグはこれまでウインターリーグとして開催されてきたが、昨季からは3月から7月に行われる日程に変更された。デスパイネ選手は今季、アラサネス・デ・グランマに所属し、40試合で6本塁打を放つ活躍を見せている。

日本を離れても野球人生は続く 新天地での活躍に期待

 去就先は未定だが、福岡ソフトバンクに所属したホーキンス選手は、昨季初開催となった中東と南アジアを拠点とするプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」のオールスター戦に出場。記念すべきリーグ初安打をマークしている。

 日本を離れても、選手一人一人は野球人生の真っ只中。各々が充実したシーズンを送れるよう、異国の地から応援したい。

文・武澤潤

関連リンク

けん制の多い投手、少ない投手は? パ・リーグのけん制データを覗いてみる
今季、パ・リーグでホームランキャッチは見られるか
総投球数は12万球超え。2023年のパ球種割合を調査してみた
2023年の「長打率」と「ISO」の違いを検証
2023年のパ6球団において、躍進を遂げた投手たちの顔ぶれ

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE