今季は柳田、山田、桑原の3選手が快挙達成
7月20日、DeNAの桑原将志が史上72度目(67人目)、セ・リーグでは37度目(34人目)のサイクル安打を達成した。今季の達成者はすでに3人目。久々にサイクル安打の当たり年のようだ。
サイクル安打はNPBの82年に及ぶ歴史で、72度しか達成されていないレアな記録だ。2008年から2014年まで、足かけ7年も達成者がいない時期もあったが、なぜか達成者が相次ぐ「当たり年」もある。
サイクル安打が年3回以上達成された年を見てみよう。
○5回
2003年
オーティズ(オリックス)5.3西武戦
福留孝介(中日)6.8広島戦
稲葉篤紀(ヤクルト)7.1横浜戦
村松有人(福岡ダイエー)7.1大阪近鉄戦
桧山進次郎(阪神)7.2中日戦
○4回
1952年
東谷夏樹(阪急)4.13毎日戦
浅原直人(東急)4.20近鉄戦
滝田政治(大映)6.22東急戦
山川武範(広島)6.26国鉄戦
○3回
1957年
毒島章一(東映)6.23近鉄戦
渡辺清(阪急)7.19近鉄戦
葛城隆雄(毎日)8.27南海戦
1976年
得津高宏(ロッテ)4.17太平洋戦
衣笠祥雄(広島)7.7巨人戦
若松勉(ヤクルト)7.9中日戦
1997年
ローズ(横浜)4.29ヤクルト戦
立浪和義(中日)8.22阪神戦
広沢克(巨人)9.26中日戦
1999年
金本智憲(広島)4.24中日戦
仁志敏久(巨人)6.25広島戦
ローズ(横浜)6.30広島戦
2018年
柳田悠岐(福岡ソフトバンク)4.21北海道日本ハム戦
山田哲人(東京ヤクルト)7.9巨人戦
桑原将志(横浜DeNA)7.21阪神戦
最多の5回を記録した2003年は同じ7月1日に2人が達成。翌日にも1人と2日で3人がサイクル安打を記録した。
サイクル安打のNPB導入は1965年から
よく知られているように、日本に「サイクル安打」の概念を紹介したのは阪急のダリル・スペンサーだった。1965年7月16日の近鉄戦でサイクル安打を達成したのに、誰も騒がなかったことに驚いて「MLBではすごい記録なんだぜ」と言ったことから、この記録が認識されたという。
後日、NPBの記録部が調査して、スペンサーは24人目の達成者だったことが分かったが、それ以前の選手は何ら注目されることがなかった。1952年に4回、57年に3回達成されているが、各選手は全く記録を意識していなかったので、偶然の産物だということになるだろう。
桑原は横浜DeNA(洋松、大洋、横浜含む)の選手としては9人目の達成者。横浜DeNAになってからは初めてだ。
門前真佐人(大洋)1950.6.27中日戦
青田昇(洋松)1953.4.23巨人戦
近藤和彦(大洋)1961.7.8阪神戦
長崎慶一(大洋)1978.5.20阪神戦
ローズ(横浜)1995.5.2中日戦
ローズ(横浜)1997.4.29ヤクルト戦
ローズ(横浜)1999.6.30広島戦
ロドリゲス(横浜)2002.7.27広島戦
桑原将志(横浜DeNA)2018.7.21阪神戦
横浜DeNAはすでに球団別のサイクル安打達成者数では単独1位だったが、この記録をさらに伸ばした。
○球団別サイクル安打達成回数
1.横浜(洋松、大洋、横浜)9回
2.オリックス(阪急)7回
2.中日(名古屋)7回
2.埼玉西武(西鉄)7回
5.阪神 6回
5.東京ヤクルト(国鉄)6回
5.広島 6回
8.巨人 5回
8.北海道日本ハム(東急、東映)5回
8.千葉ロッテ(毎日)5回
11.福岡ソフトバンク(南海、福岡ダイエー)4回
11.大阪近鉄 4回
13.大映 1回
現存する球団では楽天からは1人もサイクル安打達成者が出ていない。
なお、今年は4月28日にウエスタン・リーグの中日対ソフトバンク戦でも、ソフトバンクの江川智晃がサイクル安打を記録。これはウ・リーグでは17年ぶり13人目の出来事で、そういう意味でも今年は当たり年かもしれない。
これからもサイクル安打にまつわる新たな記録は達成されるだろうか?
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