プロ野球史上初のシーズン200安打、打者唯一となる5冠獲得、前人未到の7年連続首位打者……。43歳の現在も世界最高峰でプレーを続けるイチロー選手(マーリンズ)がオリックス在籍時に残した伝説は枚挙に暇がない。グラウンドを離れたところでも、球界で初めて名字を除く登録名を用いてインパクトを与え、背番号「51」に特別な意味を持たせた。
「イチロー選手のように」。そんなメッセージが込められ、近年では俊足巧打の選手が背番号「51」を背負うことが増えた。そして、今季はイチロー選手のプレーを見て育った「51番」たちがそれぞれ存在感は発揮している。
イチロー選手を超えたいと語る上林選手(福岡ソフトバンク)がブレイクを果たすと、京田選手(中日)はルーキーながら遊撃手のレギュラーに定着。そのストイックな精神がイチロー選手と共通するものを感じさせる鈴木選手(広島)は、4月下旬から4番を任されている。守っては木村文選手(埼玉西武)がライトフィールドのエリアでチームをもり立てる再三の好守を見せ、初の開幕一軍を勝ち取った石川直投手(北海道日本ハム)の登板数はチームで2番目に多い。
それでは、イチロー選手が海を渡った2001年以降では、どのような選手が背番号「51」を着けてきたのか。ここでは着用者のいないオリックスを除く11球団別に「イチロー後」の「51番」を通算成績とともに紹介する。
※成績は()の背番号51着用年の通算
【日本ハム・北海道日本ハム】
小田智之選手(1998-2006年)
359試合 806打数221安打16本塁打88打点 打率.274
歌藤達夫投手(2007-2008年)
25試合 0勝0敗0S 21.2回 13奪三振 防御率4.99
村田知哉選手(2008-2014年)
211試合231打数58安打0本塁打10打点 打率.251
石川直也投手(2015年-)
18試合 0勝0敗0S 17.2回 18奪三振 防御率2.55
【楽天】
佐藤和宏投手(2005-2006年)
一軍試合登板なし
川岸強投手(2007-2012年)
152試合 11勝13敗18S 168.2回 127奪三振 防御率4.32
柿澤貴裕選手(2013-2014年)
一軍試合出場なし
フェルナンド選手(2015年-)
43試合89打数17安打1本塁打7打点 打率.191
【西武・埼玉西武】
大島裕行選手(2000-2012年)
406試合917打数232安打23本塁打106打点 打率.253
木村文紀選手(2013年-)
264試合529打数110安打17本塁打50打点 打率.208
【千葉ロッテ】
於保浩己選手(1998年-2005年)
36試合37打数8安打0本塁打1打点 打率.216
山北茂利投手(2006年)
1試合 0勝0敗0S 2.1回 1奪三振 防御率3.86
龍太郎投手(2006-2007年)
一軍登板なし
植松優友投手(2008-2015年)
2試合 0勝2敗0S 8.0回 8奪三振 防御率7.88
信樂晃史投手(2016年-)
一軍登板なし
【大阪近鉄】
フリント投手(2001年)
1試合 0勝0敗0S 0.1回 0奪三振 防御率27.00
佐藤和宏投手(2002-2004年)
1試合 0勝0敗0S 2.0回 1奪三振 防御率0.00
【福岡ダイエー・福岡ソフトバンク】
荒金久雄選手(2001年-2010年)
284試合378打数82安打5本塁打30打点 打率.217
金澤健人投手(2010-2013年)
129試合 4勝1敗3S 110.2回 70奪三振 防御率2.28
上林誠知選手(2014年-)
65試合175打数53安打8本塁打25打点 打率.303
【巨人】
鄭珉台投手(2001-2002年)
27試合 2勝1敗0S 38.2回 28奪三振 防御率6.28
中濱裕之選手(2003-2005年)
8試合8打数2安打0本塁打1打点 打率.250
古城茂幸選手(2007-2013年)
490試合807打数190安打8本塁打70打点 打率.235
横川史学選手(2014-2015年)
16試合19打数5安打1本塁打5打点 打率.263
堂上剛裕選手(2016年-)
102試合146打数35安打5本塁打19打点 打率.240
【ヤクルト・東京ヤクルト】
米野智人選手(2000-2009年)
247試合576打数120安打12本塁打53打点 打率.208
山岸穣投手(2010-2012年)
5試合 0勝0敗0S 10.1回 9奪三振 防御率11.32
藤田太陽投手(2013年)
20試合 0勝0敗1S 18.2回 6奪三振 防御率1.93
藤井亮太選手(2014年-)
41試合87打数15安打0本塁打3打点 打率.172
【横浜・横浜DeNA】
田中充・ミツル選手(1998-2006年)
27試合28打数2安打0本塁打0打点 打率.071
鈴木尚典選手(2007-2008年)
144試合282打数67安打5本塁打21打点 打率.238
カスティーヨ選手(2010年)
51試合466打数127安打19本塁打55打点 打率.273
大原淳也選手(2011-2012年)
1試合0打数0安打0本塁打0打点 打率-
宮崎敏郎選手(2013年-)
197試合519打数147安打14本塁打51打点 打率.283
【中日】
福沢卓宏投手(2000-2002年)
5試合 0勝0敗0S 6.1回 7奪三振 防御率12.79
山北茂利投手(2003-2004年)
64試合 3勝0敗0S 60.2回 42奪三振 防御率3.71
中村一生選手(2005-2011年)
26試合29打数8安打1本塁打4打点 打率.276
川崎貴弘投手(2012-2014年)
1試合 0勝0敗0S 1回 1奪三振 防御率9.00
山本雅士投手(2015-2016年)
3試合 0勝0敗0S 4.1回 2奪三振 防御率10.38
京田陽太選手(2017年-)
37試合127打数33安打1本塁打7打点 打率.260
【阪神】
井上貴朗投手(1995-2001年)
43試合 2勝9敗0S 106.1回 60奪三振 防御率3.64
桜井広大選手(2002-2011年)
308試合824打数225安打30本塁打116打点 打率.273
伊藤隼太選手(2012年-)
196試合423打数99安打7本塁打37打点 打率.234
【広島】
末永真史選手(2000年-2012年)
236試合433打数116安打7本塁打40打点 打率.268
鈴木誠也選手(2013年-)
313試合910打数284安打43本塁打160打点 打率.312
21世紀になって背番号「51」を着けた選手は45人で、その内訳は投手19人、野手26人だった。野手26人のうち外野手は17人で、左打ちが15人と過半数超えで、イチロー選手と同じ左打ちの外野手は10人。通算の打率、本塁打、打点、安打でトップの数字を残している鈴木選手(広島)は今季にも最多出場となりそうで、今後は同じ鈴木姓のイチロー選手が残した数字(951試合3619打数1278安打118本塁打529打点 打率.353)にどこまで近付けるだろうか。
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