前半戦最後の北海道日本ハム2連戦に連敗し、4位に転落
2年連続のリーグ優勝と日本一を目指す福岡ソフトバンクが、苦闘の前半戦を終えた。
オールスター前最後の試合となった10日の北海道日本ハム戦(東京D)で、投手陣が崩壊。北海道日本ハム打線に19安打を許して12失点。前日の試合と合わせて22点を失い、奪った得点はわずかに1点だけだった。
2試合続けての惨敗、連敗で前半戦を戦い終えた福岡ソフトバンク。この日の敗戦で千葉ロッテに抜かれてBクラスの4位に転落してしまった。11日の千葉ロッテの結果次第ではあるが、過去5年で唯一シーズンBクラスとなる4位に終わった2013年以来となる、Bクラスでの前半戦折り返しとなる可能性が高くなってきた。
就任以来、1位、2位、1位と好成績を残してきた工藤公康監督は前半戦を総括し「怪我人がいたりとかチームとして安定した戦い方が出来なかったというところもありますし、僕自身の指導力がもっとみんなをもっと強く引っ張っていくことができたら少し変わってきたのかなというところもあります」と悔いた。
苦闘の一因は怪我人の続出にある。守護神のサファテ、セットアッパーの岩嵜翔がともに長期離脱。先発ローテを担うはずの和田毅は左肩の違和感でキャンプで離脱し、千賀滉大も右肘や右前腕部の張りなどで前半戦だけで4度出場選手登録を抹消された。
昨季最多勝の東浜巨も右肩の機能不全で戦線を離脱中。一時は内川も故障で欠き、現在は今宮が右肘痛でファームにいる。
怪我人続出の中で貯金2、打の柳田、投の石川がチーム牽引
そんな苦しいチーム事情の中で、現在4位とはいえ、貯金2をマークしているのは、王者の意地といったところか。
指揮官は「多少悪いところがあっても戦線離脱しないで頑張ってくれた選手たちが結果を残してくれたというところで、貯金を作った状態でオールスターに入れるというのは選手たちがよく頑張ったなと思います」と選手を労う。
その選手の中でも、指揮官が名前を挙げて活躍を称えたのは、打の柳田悠岐、投の石川柊太。
「一時は4割を超えた柳田くんが中心となって頑張ってくれたというのがある。ピッチャーでは石川くんが、最初はリリーフで入っていて途中から先発でしっかり結果を残してくれたというのがあったので、チームが今こういう状態にいられるんじゃないかなと思います。当然2人だけで勝ったわけではないので、みんなが自分の役割を果たしてくれてここまできている、印象に残っているのはその2人」という。
主軸の松田、デスパイネ、内川がこぞって不振に喘ぐ中で、柳田の奮闘ぶりは特筆すべきもの。ここまで291打数101安打の打率.347、20本塁打58打点。柳田の活躍がなければ、ホークスの惨状はこの程度では済まされなかったのは間違いないだろう。
石川はここまでチームトップの7勝をマーク。千賀の故障などで苦しかった台所事情を救う存在となった。ここ5試合、白星がないが、間違いなく前半戦、先発投手陣を支えたのは、この石川だった。
首位の埼玉西武と6ゲーム差、2位の北海道日本ハムとは4ゲーム差。埼玉西武から5位のオリックスまでが6.5ゲーム差にひしめく混戦となっている。
「実力が拮抗しているということになると思うので、これからまたオールスター明け、少しずつ怪我人が帰ってきてチームの形はしっかり出来てくると思うので、今後離されないようにすることが大事だと思います」と語った工藤監督。勝負の後半戦。王者福岡ソフトバンクは巻き返せるだろうか。
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