鈴木優の留学便り Vol.1 エンゼル・スタジアムへ行ってみた

パ・リーグ インサイト 鈴木優

2023.5.14(日) 06:00

エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム【筆者撮影】
エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム【筆者撮影】

観客全員が試合に参加している雰囲気が楽しい!

 4月27日、大谷翔平選手が登板するということで、アナハイムにあるエンゼル・スタジアムへメジャーリーグ初観戦に向かった。

 まずびっくりしたのが駐車場の大きさ。

 駐車場の入り口から中に入るまで5分は歩くのではないかという広さで、日本と違い電車が通っていないため大抵の人が車で来場する。そのため、広大な駐車場が準備されているのだ。

 そんなところに驚きながら歩いていると、入り口に大谷翔平選手の大きな写真が飾られている。あらためてアメリカの地でその球団を代表する選手であることにすごさを感じる。

 日本では外国から来た選手が、トップの写真を飾るということはなかなかないような気がする。それも大谷選手が世界で認められている証であると思った。

 入口では日本よりも厳重に手荷物検査が行われ入場した。

 ここで初めて知ったのだがアメリカの球場では小さなバック以外は、PVC製の透明なバッグしか持ち込むのが許可されていない。私は幼児を連れていたため、そのためのバッグということで許されたが、基本的には入れないため気をつけてほしい。

 まずは入ってすぐにあるグッズショップへ向かった。

 そこにはさまざまな種類のグッズが売られているのだが、驚いたのはグッズのほとんどが大谷翔平選手とトラウト選手であるということだ。

 日本では主力選手のグッズが多少多く並ぶのが当然だが、その他の選手も多くの品が並ぶ。しかしここではこの2人がほとんど占めていた。それほど2人の人気が高いんだなということを実感したのだった。

 またグッズ売り場を回っていて気がづいたのが日本人のお客さんの多さだ。

 普段球場の近いエリアで生活していても日本人をあまり見かけることはない。しかしグッズ売り場では日本語ばかり聞こえてきたことに驚いた。

 グッズ売り場内では現地の人より日本人の方が多いのではないかと思うほどであった。またグッズも日本語で"大谷翔平"と書いてあるものも多くあり、日本人を意識したグッズ戦略も取られているように感じる。

 グッズ売り場を出てグルメを見ているとホットドッグ、ナチョス、ポップコーン、サンドウィッチなど決まった同じ品の店が多く並んでおり、日本のようにたくさんの種類の球場メシがあるわけではなかった。

 それに加えて値段は高めだった。現在のレートで考えると小さめのパンにソーセージを挟んだだけ(ケチャップ、マスタードは自分でかける)で800円くらい、球場内で売っている缶のビールやお酒に関しては1400円くらいとだいぶ割高だ。

 グルメに関しては日本のほうがその土地の特色を生かしたものなどが準備されており、楽しめる気がする。

 そんなラインナップの中でも名物だと思われるエンゼルスのヘルメットに入った大量のナチョス。私も食べてみたのだが、大量のペパロニが味の決め手となっており、食感も楽しく、入れ物のヘルメットも持ち帰ってお土産になるのでオススメできる。ぜひ試しに買ってみてほしい。

エンゼルスのヘルメットに入ったナチョス (C)PLM
エンゼルスのヘルメットに入ったナチョス (C)PLM

 席に着くと、エンゼルスタジアムの象徴でもある左中間の巨大な岩と滝が、日本にないつくりでワクワクさせてくれる。

 ブルペンはホームビジターともにレフトスタンド下にあり、下の階にビジター、上の階にエンゼルスと両チームが話せるくらいの距離に置かれている。

 これも日本では見ない造作で面白いなと思った。

 またグッズ売り場で感じた通り、球場で見るお客さんが来ているユニフォームはほとんど大谷選手とトラウト選手しか見ない。

 同じ日本人としてとても誇らしい気持ちになる。

 試合が始まると日本とは比べられないほどの音量で、音楽やアナウンスがされてファンも次第に盛り上がっていく。

 試合中に球場全体でウェーブが行われたり、牽制や相手チームがホームランなどを打つとブーイングしたりと、観客全員が試合に参加している雰囲気が伝わってくる。

 日本の応援歌を歌う文化とはまた違う楽しみ方をしているように感じた。

 練習中や試合中に選手が子どもたちにサインをするなどファンへのサービスも、日本よりもされている気がした。

 ファールボールを取っても近くの子どもにあげるシーンが目立ち、子どもたちがすごく楽しそうにしているのを見て、雰囲気の良さをより味わうことができた。

 この試合では大谷選手は6回5失点で4勝目を手にし、打者としても三安打猛打賞と大活躍。最後の打席にもう少しでホームランという打球を放ったのだが、それが入っていればサイクルヒット達成だったというような結果で二刀流としてチームを引っ張った。

 次回は日本とアメリカの試合の中身の違いなどについて書いていきたいと思う。

文・鈴木優

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