『インクレディブル・ファミリー』声優に挑戦! アフレコ現場レポート【安達了一・中田翔・鈴木大地】

パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

2018.6.21(木) 11:00

都内某所のスタジオ。普段なら硬球を握る手に、分厚い「台本」を持って。普段ならば球団指定の帽子かまたはヘルメットを被る頭に、「ヘッドホン」を装着して。グラウンドから夢と感動を届ける一流プロ野球選手が、今回はその「声」で魅せてくれた。

この度、8月1日(水)公開のディズニー/ピクサー映画『インクレディブル・ファミリー』のひと言声優に、パ・リーグ球団の6選手が挑戦した。プロ野球選手がディズニー/ピクサー映画の声優を務めるのは、もちろん史上初のことである。

『インクレディブル・ファミリー』は、今夏、パ・リーグ本拠地球場で開催されるイベント「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」のテーマ作品。本作のヒーロー家族にちなんで、パ・リーグを代表するヒーロー選手6人が、声優として起用されることとなったのだ。

今回、ひと言声優に挑んだのは、北海道日本ハムの中田翔選手、楽天の高梨雄平投手、埼玉西武の山川穂高選手、千葉ロッテの鈴木大地選手、オリックスの安達了一選手、福岡ソフトバンクの柳田悠岐選手。では、彼らの人生初のアフレコ現場に密着した「パ・リーグインサイト」編集部が、その模様を詳しくお伝えしよう。

オリックス・安達選手の場合

パ・リーグ屈指のショートストップ・安達選手は、球界きってのディズニーファンである。ひと言声優のオファーがあったときは「うれしかったです。即やりたいですって言いました」とのこと。ただ当日、収録前の自己紹介で「オリックス・バファローズ」と『インクレディブル・ファミリー』を噛み倒し、「やばい、やばい…(笑)」。

本番直前の安達選手。緊張した面持ち
本番直前の安達選手。緊張した面持ち

しかし、いざ収録となるとさすがだった。安達選手のセリフは6選手の中でもっとも長く、声量も必要で、もはや「ひと言」声優とは言い難いほど。さらに「プロでも難しい」というタイミングだったにもかかわらず、一発目からなかなかのうまさ。何より恥ずかしがらず、思い切り弾けてくれた。

監督から、シチュエーションや距離感を意識するように指導され、何度も声を張り上げつつ、かけられるひと言ひと言に「はい!」としっかり返事していた姿が印象的だった。「腹筋があるから声が出ますね」というのはディズニースタッフのひと言である。

ちらっ
ちらっ

収録後は「楽しかったです。良い経験できました」と笑顔。自身の声が入った映画を「自分のことを知っている人全員に観てもらいたい」ということなので、存在感抜群の安達選手の声を確かめるため、ぜひとも劇場に足を運んでほしい。

北海道日本ハム・中田選手の場合

北海道日本ハムの4番とキャプテンを務める中田選手。収録時は白いTシャツ姿だったが、上半身がたくましく、『インクレディブル・ファミリー』のパパにそっくりだった。

ヘッドホンを装着して、なぜか腕組みの中田選手
ヘッドホンを装着して、なぜか腕組みの中田選手

収録のため、マイクが用意された一室に中田選手1人を残してスタッフ全員が出ていこうとすると、「えっ(残って)教えてくれる人誰もいないの?」と不安げ。しかし、すぐに切り換えて自主練習を始めると、持ち前の美声を披露。1つめのセリフはテイク2でオッケーが出たが、6選手の中で最短だった。

2つめのセリフからは少々苦戦していたものの、終始きちんと返事をしながら監督の指導に耳を傾け、「いいんじゃない?」と自画自賛した直後に「難しいな…」と首をかしげるなど、親しみやすい態度で現場の雰囲気を和ませてくれた。

監督に向けてペコリ。礼儀正しい中田選手
監督に向けてペコリ。礼儀正しい中田選手

収録後、地球を守るミッションに就いている『インクレディブル・ファミリー』にちなみ、「家族の中の大黒柱である中田選手の父親としてのミッションは?」と尋ねられ、「子どもとの時間はすごく大事にします。その中もやっぱり父親っていうところもね……。怒るときはしっかり怒りますし」と父親らしい一面も。

千葉ロッテ・鈴木選手の場合

ベストナイン2回、ゴールデングラブ賞1回の千葉ロッテのチームリーダー・鈴木選手。当日、準備が整うまでの待ち時間にも、しきりに野球の話をしていた姿が印象的だった。

なお、収録は大苦戦。リテイクを繰り返したが、疲れた様子は見せず「だんだん分かってきましたよ」「(お手本を見せた監督に)うまいですね」と現場の空気を和らげながら、懸命に取り組んでくれた。自身の声が入った映像を見た感想は…「くそ下手くそっすね」。

収録中の鈴木選手。表情が固い
収録中の鈴木選手。表情が固い

収録中は同じセリフを何度も繰り返すため、「試合中に思い出しそう」だと苦笑い。何とかオッケーが出た後は「これから映画を観ても、あの声優あんまりうまくないなとか言わないようにします」とポツリ。器用な鈴木選手にも、苦手なものはあったようだ。

終了後、やっと笑顔が
終了後、やっと笑顔が

『インクレディブル・ファミリー』はスーパーパワーを持っているが、「鈴木選手から見て“この選手の特殊能力はすごい”と感じる選手は?」と質問されると、「福岡ソフトバンクの柳田選手。ヒーローみたいな身体つきで、ヒーローみたいな動きするので。あんな人になれたら楽しいんだろうな」「僕はサブキャラとかでいいんで…」とのこと。


【柳田選手・山川選手・高梨投手】編レポートはこちらから

以上、人生初の映画声優に挑戦した選手たちの様子を、「パ・リーグインサイト編集部」がお伝えした。忙しい中で、まったく別ジャンルの「声優」というものに挑んだ選手たちだが、普段数万人もの大観衆の前で自らのパフォーマンスを披露しているだけあって、思い切りの良さはさすがだった。どの選手がどの役を演じているか、ぜひ劇場で確かめてほしい。

映画『インクレディブル・ファミリー』とは

アカデミー賞にも輝いた『Mr.インクレディブル』の最新作で、壮大なスケールとユーモアで描かれる一家団結アドベンチャー。ピクサー・アニメーション・スタジオが贈る長編アニメーション20作目という記念すべき作品だ。8月1日(水)より日本公開。

・ストーリー
彼らは、どこにでもいるフツーの家族……ではない。パパもママも3人の子供も、それぞれ異なるスーパーパワーを持ったヒーロー家族なのだ!
超人的なパワーをもつパパ、ボブ、伸縮自在なゴム人間のママ、ヘレン、超高速移動できる長男ダッシュと、鉄壁バリアで防御できる長女ヴァイオレット。さらに、スーパー・パワーに目覚めたばかりの赤ちゃんジャック・ジャック...その潜在能力は、まだ未知数。
家事も育児も世界の危機も、驚異のスキルと家族の絆で乗り越える、この夏最高の一家団結アドベンチャーが誕生した!

「親子ヒーロープロジェクト」とは

プロ野球や球場の楽しさをより多くの家族連れに体験してもらうため、人気コンテンツと共同で実施しているパ・リーグ横断型企画。今夏は1球団2日間ずつの日程で、『インクレディブル・ファミリー』と連動した球場イベントを予定している。

・開催日程
7月21日(土)、7月22日(日)ZOZOマリンスタジアム(千葉ロッテ対オリックス)
7月28日(土)、7月29日(日)札幌ドーム(北海道日本ハム対オリックス)
8月4日(土)、8月5日(日)福岡 ヤフオク! ドーム(福岡ソフトバンク対オリックス)
8月11日(土・祝)、8月12日(日)楽天生命パーク宮城(楽天対埼玉西武)
8月17日(金)、8月18日(土)京セラドーム大阪(オリックス対福岡ソフトバンク)
8月18日(土)、8月19日(日)メットライフドーム(埼玉西武 北海道日本ハム)

記事提供:

パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

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