11奪三振の千賀に「去年までの千賀くんに戻った」
15日、福岡ソフトバンクは広島に8-0で圧勝した。打っては10勝目を狙った広島の大瀬良大地を一発攻勢でKO、投げてはセ首位チームを相手に完封リレー。工藤公康監督は開口一番「気合十分な試合になりました」と笑顔を見せた。
初回にデスパイネが3ラン、2回には高田知季が2ラン、4回には上林誠知にも9号2ランが出て、セ・リーグを代表する右腕・大瀬良を攻略。さらに8回には江川智晃も1号ソロを放った。それでも工藤監督が最初に出した選手の名前は松田宣浩だった。
「松田くんがよく粘って四球で歩いたのが大きかったんじゃなかと思います。そこから、柳田くんの『何とかつなげよう』という思いも出ていたし、デスパイネも強振するというよりはセンターにしっかり打ち返そうというバッティングでね。何とか初回に得点したいという思いがクリーンアップに出ていたので、非常にいい得点の仕方だったし、相手ピッチャーにはショックが大きい失点になったと思います」
2回の高田の2ランは初球だったが「(カウントが)1ボールになったらスクイズしようと考えていました。その前にホームランになったんで良かったですけど」と、ご機嫌な指揮官は裏話も披露する余裕も見せた。
先発の千賀については「気合が入っていた」と称賛。「象徴するのは4回だったと思います。満塁になってからもう1つギアを上げて2つ三振を奪ったところは、去年までの千賀くんが戻った感じ」と、開幕右腕がようやく“らしさ"を取り戻したことを素直に喜んだ。
5回での降板は「球数制限があったから」と工藤監督。「今日は100球を過ぎてもというところで考えていました」という。
前日のBクラス転落ショックを吹き飛ばすような快勝。パ上位チームが揃って勝利したため1日でのAクラス復帰はならなかったが「(セ・リーグを代表する投手を)打って勝ったのは選手にとっても大きいし、明日につながる。贅沢を言うようだけど、明日はホームランもタイムリーも欲しいね」と少しおどけてみせた。
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