埼玉西武・山川が3年ぶり6度目の月間MVP受賞 印象に残った一発は「マジでわからない…」

Full-Count

2022.6.9(木) 13:00

5月の月間MVPを受賞した埼玉西武・山川穂高※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)
5月の月間MVPを受賞した埼玉西武・山川穂高※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)

2019年3・4月度以来の受賞 5月は打率.321、9本塁打18打点をマークした

 日本野球機構(NPB)は9日、5月度の「大樹生命月間MVP賞」を発表し、パ・リーグ打者部門では埼玉西武・山川穂高内野手が受賞した。2019年の3・4月度以来3年ぶり6度目受賞となる。5月は月間打率.321、9本塁打、18打点。開幕直後の3月30日に右太もも裏の肉離れを負い、4月1日から18日間戦線離脱していたが、5月に華々しく復活を遂げた。6月9日現在で18本塁打を放ち、タイトル争いをリード。38打点もトップの楽天・浅村に1差。規定打席数にはわずかに足りないものの、打率も.318をマークしている。

 会見で報道陣から「5月に1番印象に残った打席、あるいは本塁打は?」と“定番”の質問を受けた山川は、しばらく記憶をたどった後、「どうしよう、1つも浮かんでこない。マジで全然わからないです。何かありましたっけ?」と真顔で返答した。「頭の中は今日の相手投手のことでいっぱいです」と“言い訳”。会場には笑いが巻き起こったが、このやりとりに好調の要因が表れていた気がする。

 2018、19年にいずれも40本台で2年連続本塁打王に輝いたが、一昨年は一転して打率.205、24本塁打。昨年も.232、24本塁打。2年続いた不振から、どうやら完全に脱したようだ。「過去2年の失敗を大いに生かせている。打撃フォームとメンタルが安定していることが、月間MVPを取れた要因だと思います」とうなずいた。

 理論派でシーズン中に打撃フォームを修正することも多いが、「今年は怪我をしようが何をしようが、打撃フォームは変えない。微調整はしても、根本的なものを変えないと決めています」と言う。

打席で「一喜一憂することをやめた。作業をこなしている感じ」

 メンタル面では、打席に臨む心構えを大きく変えた。「一喜一憂することをやめました。準備にはこだわりますし、100%を目指していますが、試合で10割打つのは不可能ですから。不可能なことに頭を使っても意味がないと、過去2年間で感じました」と打ち明ける。

「昨年まではアウトになった時、なぜなのかと毎回すごく突き詰めていました。今年は、最高の準備をしてアウトになったのなら、しようがないと考えています。ホームランを打てたら打てたで、うれしい、はい次、という感じ。無死満塁でも2死走者なしでも、最高の準備をして打席に入って、タイミングを合わせるだけです。結果にはこだわっていない。調子の良い、悪いもあまりない」と語り、「作業をこなしている感じ」と表現した。

 昨年3月30日、敵地・札幌ドームで行われた北海道日本ハム戦中に左太もも裏を痛め、不振の一因となった。今年も同じ3月30日に同じ札幌ドームで、今度は右太もも裏を痛めたが、後悔はしていない。「昨年は痛いなと思いながら出場して、肉離れに至った。今年は痛くもないのにテーピングでぐるぐる巻きにして臨み、それでも肉離れ。正直言うと少し落ち込みましたが、もう(これ以上の予防は)無理だなって」と笑う。故障防止にも100%の準備をしている自負がある。

「今季中にもう1回、月間MVPを取りたいですね。僕の場合、ムラがあるのが課題で、年間を通して安定した成績を出すことがテーマの1つなので」。球界を代表する長距離砲は思いを新たにしていた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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