鷹の“アキレス腱”になる危険性 甲斐拓也は盤石も…混沌とする“2番手捕手”争い

Full-Count 福谷佑介

2022.2.27(日) 06:50

福岡ソフトバンク・九鬼隆平(左)と海野隆司※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
福岡ソフトバンク・九鬼隆平(左)と海野隆司※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

直近の対外試合3試合で投手陣は36安打26失点を喫している

■オリックス 8ー4 福岡ソフトバンク(オープン戦・26日・宮崎)

 26日に宮崎市の生目の杜運動公園で行われたオリックスとのオープン戦に4-8で敗れた福岡ソフトバンク。先発の千賀、2番手の和田と開幕ローテ当確の主力投手2人が計15安打8失点と、昨年のパ・リーグ王者に打ち込まれる展開に。対外試合3連敗となったチーム状況で気がかりなのが、正捕手の甲斐拓也捕手に続く“2番手捕手”の争いだ。

 開幕投手に決まっている千賀は2回に5安打を集中されて4失点。2番手の和田も4回と6回に2点ずつ失い、リードを広げられた。指揮官は両投手に「『まだ1か月ある』じゃなく『もう1か月しかない』と思って状態を上げていってもらいたい」と注文をつける一方で「もっともっとバッテリーで話して試合に挑まないと」と、スタメンマスクを被った海野隆司捕手にも苦言を呈していた。

 福岡ソフトバンクには東京五輪で金メダル獲得にも貢献した甲斐が正捕手として君臨し、その座は揺るがない。ただ、甲斐1人で1年間を戦えるかは分からない。怪我などに備えた2番手捕手は重要だ。昨季までは高谷裕亮がいたものの、現役を退き、2軍バッテリーコーチに就任。ここを埋める存在として海野、九鬼といった若い捕手の成長は不可欠なのだ。

 23日の埼玉西武戦では九鬼がスタメンマスクを被り、海野が途中出場。24日の千葉ロッテ戦では海野が1試合を通じて出場し、この日のオリックス戦では海野がスタメン、途中からは九鬼がマスクを被った。この3試合で投手陣は36安打を浴びて、26失点と大量失点が続いている。

オリックス戦は千賀、和田で計8失点「もっともっとバッテリーで話して試合に挑まないと」

 すでに、24日の千葉ロッテ戦後に藤本監督は「昨日の九鬼でも言いましたけど、海野も高い球打たれているんだからもっとジェスチャーで見せるとか、もっと広くとかジェスチャーが足らなかったと思います。甲斐だったら、それくらいすると思います。甲斐が1年、怪我なくできるか分からない。2番手を試しているわけだから、アピールしてくれないと分からない。渡邉、谷川原もいる。その辺も競争させていこうかなと思っています」と語っていた。

 1日オフを挟んでのオリックス戦だったが、再び「千賀や和田、東浜の球を受ける時に、投げる前にちょこっと話をしただけじゃね。ローテに入る実績ある投手なんだから、今日は何を試したいか、そういう話をもっともっとバッテリーで話して試合に挑まないと。ある程度はやっているとは思うけど、もっと綿密にやってもらいたい。思うところはあって、バッテリーコーチにはお願いしておきました」と語り、コーチも含めた捕手陣への苦言が続いている。

「2番手のキャッチャーは課題ですからね」という藤本監督。現状、正捕手の甲斐を脅かすどころか、B組にいる渡邉陸や谷川原健太らに割って入る余地すら与えかねない2番手捕手争い。甲斐がもし怪我でもしたら……。鷹の“アキレス腱”になりかねない危険性をはらんでいる。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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