各球団の正捕手争いに異状あり 千葉ロッテ18歳らに野口寿浩氏も「開幕スタメンわからんぞ」

2022.2.25(金) 11:15 Full-Count
千葉ロッテ・松川虎生(左)、楽天・安田悠馬※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介、荒川祐史)
千葉ロッテ・松川虎生(左)、楽天・安田悠馬※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介、荒川祐史)

炭谷銀仁朗以来16年ぶりの「高卒新人捕手が開幕スタメン」に可能性

 各球団の正捕手争いに“異状あり”だ。千葉ロッテのドラフト1位ルーキーで、18歳の松川虎生捕手に、2006年の埼玉西武・炭谷銀仁朗(現楽天)以来16年ぶりとなる高卒新人捕手の開幕スタメンの可能性が取りざたされるなど、今年は例年になく新人捕手が練習試合で存在感を示し、競争を活性化させている。現役時代に東京ヤクルト、北海道日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が、沖縄、宮崎で練習試合を取材した上で分析した。

「まず、あのサイズ感にびっくりした。実際(身長178センチ、体重98キロ)よりも大きく見える」と野口氏が思わずため息をついたのが、松川の高卒新人とは思えない貫録である。

 15日の楽天との練習試合で、6回に代打で登場し中前打を放つと、そのままマスクをかぶった。17日の巨人戦からは4試合連続スタメンで起用され、5番に座った22日のオリックス戦では4打数2安打1打点。24日現在、実戦5試合で14打数6安打、打率.429の猛打を振るっている。捕手としての立ち居振る舞いも立派なものだ。

 野口氏は「捕手のリードは“経験を重ねてナンボ”ですから、高卒新人捕手の起用はチームにとって自ずと痛みを伴う。しかし千葉ロッテの首脳陣は、松川にはそこを我慢する価値があると踏んでいる節がある」と見ている。「打撃にアドバンテージがある。シーズンでも加藤(匠馬捕手)と半々くらいで起用される可能性があると思う」と予測する。

 楽天のドラフト2位、安田悠馬捕手も主に打撃で目立っている。新入団会見で楽天のチームカラーにちなみ「“エンジゴジラ”と呼んでほしい」と訴えた左の長距離砲は17日の東京ヤクルト戦、バックスクリーン左へ対外試合初本塁打を放った。守っても再三強肩を披露している。

 野口氏は「安田が打つとは聞いていたが、正直言って、そうは言っても開幕スタメンマスクは炭谷か太田だろうと高をくくっていた。しかし、実際に見て驚きました。肩が強いし、そこそこ守れている。キャラが立っているのもいい。こりゃ(開幕スタメンは)わからんぞ、と思い始めましたよ」と評価を改めた。

安田は「キャラが立っているし、打撃には本当に目を見張る」

 特に野口氏が感心したのが、19日の阪神戦での安田の打撃だった。「4番・捕手」でスタメン出場し、1回に相手先発の秋山に対してカウント1-2と追い込まれながら、外角低めのフォークをとらえ中前へ先制適時打。3回には2番手の藤浪に対し、カウント0-2から中前へクリーンヒットを放った。「パワーはもちろん、阪神の主力級に対し不利なカウントを跳ね返した対応力が素晴らしい。打撃に関しては本当に目を見張るものがある」と称賛した。

 アマチュア時代の評価が高かったのは、中大からドラフト3位で埼玉西武入りした古賀悠斗捕手だ。キャンプもA班(1軍)で過ごしたが、今年初の対外試合となった22日の福岡ソフトバンク戦では、6回からマスクをかぶり、相手のドラフト4位ルーキーの野村勇に二盗、三盗を立て続けに許した。二盗の際には体勢が崩れ、送球がワンバウンドになったが「もともと地肩は強く、打撃も悪くないと聞いている」と野口氏は期待している。

 オリックスのドラフト3位、福永奨捕手についても、野口氏は「スローイングが良いという印象がある」と語る。途中出場した24日の埼玉西武戦では、1点を追う9回2死一、三塁で左前に落ちる同点二塁打を放ち、打撃でも粘り強さを見せた。また、新人ではないが、高卒3年目で20歳の巨人・山瀬慎之助捕手も強肩をアピール。大城、小林、岸がひしめく正捕手争いに割って入る構えだ。

 野口氏はプロ経験の浅い、若い捕手たちへ「オープン戦では失敗を悔やむ必要はない。むしろ、どんどん失敗して、反省材料を次へつなげていけばいい」とエールを送る。そして「毎日、なぜ打たれたのか、逆になぜ抑えることができたのか、あのサインに投手が首を振ったのはなぜだったのか……と1つ1つ考え抜いて、糧にしてほしい」と話す。

「正捕手1人をつくるのには何年もかかる」と言われるが、今年は“定説”を覆すキャッチャーが続出することになるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

記事提供:Full-Count

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