杉本裕太郎、島内宏明、荻野貴司...... 今季キャリア初の個人タイトルを獲得したパの選手たち

2021.12.16(木) 09:00 パ・リーグ インサイト
左から荻野貴司選手、杉本裕太郎選手、島内宏明選手(C)パーソル パ・リーグTV
左から荻野貴司選手、杉本裕太郎選手、島内宏明選手(C)パーソル パ・リーグTV

 SMBC日本シリーズ2021が終了し、プロ野球の2021年シーズンも閉幕。今月15日には「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」が行われ、今季のタイトル受賞者らが表彰された。

 今季のパ・リーグはオリックスと千葉ロッテの優勝争いに代表されるように、一つでも上の順位に向けて最終盤まで各球団のし烈な戦いが繰り広げられるシーズンとなった。その一方で、個人タイトル争いでも各部門で混戦の様相を呈し、最後まで先の読めない展開が続いた。その中で、今季は6選手が自身初となるタイトルの座をつかんだ。今回は、今季キャリアで初のタイトルを獲得した選手たちを紹介していきたい。

昨季わずか2本塁打から本塁打王獲得。優勝に貢献した杉本裕太郎

 まずは最多本塁打者賞に輝いたオリックス・杉本裕太郎選手。前年までの6年間で通算9本塁打、昨季もわずか2本塁打と苦しいシーズンを送ってきたが、30歳を迎えたプロ6年目の今季は自身初となる開幕スタメンに抜てきされる。すると序盤から4番に座り、青山学院大学の後輩・吉田正尚選手とともに打線の軸として活躍。見事にブレイクを果たした。

 本塁打王争いでは9月10日に25号をマークしてトップに並ぶと、以降はさらに量産体制に入ってタイトル争いをリードする存在に。10月7日には球団の右打者では31年ぶりとなる30号の大台にも到達し、最終的には32本で自身初の栄冠に輝いた。特に優勝を争った千葉ロッテに対しては、今季32本のおよそ4割を占める13本。好相性ぶりを発揮し、前年最下位からの快進撃を演じるチームを支えた。

高い得点圏打率とパンチ力を武器に打点王へ。杜の都のクラッチヒッターとなった島内宏明

 東北楽天・島内宏明選手は最多打点者賞を獲得した。プロ入りから9年間におけるキャリア最多打点は2019年の57打点と、これまで打点王には程遠い成績だったが、今季は3番、4番として打順に名を連ね、勝負強さを発揮。得点圏打率ではリーグ2位となる.328をマークし、得点圏での打点は77を数えた。また、本塁打も球団生え抜き最多の21本を放ち、昨季の8本塁打から飛躍的に増加。高い得点圏打率とパンチ力を武器に、開幕から打点を積み重ねた。

 打点王争いでは5月21日に34打点でトップになると、6月11日には両リーグ最速で50打点に到達。その後も独走を続け、10月6日には90打点をマークした。100打点には惜しくも届かなかったものの、96打点で球団の生え抜き選手では初の打点王獲得となった。

球団新人記録達成から5年。念願の盗塁王を手にした源田壮亮

 今季の最多盗塁者賞はパ・リーグ史上初となる30盗塁以下に加えて、4人同時受賞となり、そのうち3選手がキャリア初タイトルとなった。

 まずは埼玉西武の源田壮亮選手だ。今季も開幕から不動のレギュラーとして出場。5月末に新型コロナウイルス感染を受けて一時離脱も強いられたが、6月に復帰した後は出場を続け、24盗塁で見事に盗塁王を獲得した。球団新人記録となる37盗塁(2017年)をはじめ、入団から3年連続で30盗塁を記録しながら盗塁王に届かないシーズンもあったが、プロ5年目で念願の初タイトルとなった。

 源田選手は5月末の離脱までに14盗塁を決めており、驚異的なペースで盗塁を成功させていたチームメイト・若林楽人選手とともに、序盤から盗塁数では上位にランクイン。戦線復帰後は前半戦に比べてペースこそ落ちたものの、8月28日に2盗塁を成功させてトップに並ぶと、以降もトップを守り続けた。

代走中心の起用でタイトル獲得。史上最少打席の盗塁王となった和田康士朗

 千葉ロッテは2選手が球団15年ぶりの最多盗塁者賞を獲得。1人目は22歳の若さで快挙を達成した和田康士朗選手だ。支配下昇格1年目となった昨季はリーグ3位の23盗塁をマークするなど、俊足を武器にブレイク。今季も終盤における代走の切り札として開幕から起用されると、代走だけで21盗塁を成功させるなど、チームの上位進出に大きく貢献した。

 5月に7個、6月に6個の盗塁を成功させていた和田選手。7・8月は3盗塁とペースを落とすも、9月は8度の代走起用で5盗塁を決めて、トップの源田選手を追走した。盗塁王を獲得した4選手では最も高い盗塁成功率.828を誇り、確実性を武器に24盗塁をマーク。育成出身選手としては昨季の福岡ソフトバンク・周東佑京選手に続いて2年連続、また、史上最少となるわずか24打席での受賞となった。

36歳で自身初タイトル。パ・リーグ最年長記録で最多安打と盗塁王に輝いた荻野貴司

 千葉ロッテ・荻野貴司選手は最多盗塁者賞に加え、最多安打者賞を獲得。2009年のドラフト1位でプロ入りして以降、度重なる故障が原因で本来の実力を発揮できないシーズンが多かったが、プロ12年目の今季は1番打者として序盤から打線をけん引。最終的には自身初となる全試合出場を果たすなど、頼れるベテランとして1年間チームを支え続けた。

 今季は44度のマルチ安打、うち10度の猛打賞を記録。トップに2本差と迫った9月7日の試合で4安打の固め打ちをして、リーグ最多安打の座に躍り出る。すると9月は26安打、10月は22安打を放つなど、終盤にかけても安定して安打を重ねていき、リーグ最多となる169安打をマークした。
 
 また、開幕から安定して盗塁を積み重ね、23盗塁で迎えた10月30日の最終戦でも盗塁を成功させてトップタイとなり、最多安打に続く2つ目のタイトルも獲得。36歳での最多安打はパ・リーグ最年長、盗塁王はNPB最年長の記録となった。

若き左のリリーバーとして奮闘。NPB最年少で最優秀中継ぎ受賞となった堀瑞輝

 北海道日本ハムからは堀瑞輝投手が最優秀中継ぎのタイトルを受賞した。ショートスターターなどの新たな役割を任された2019年は防御率5.22、救援に専念した昨季も防御率4.19と、一軍定着後の2年間は不安定な投球が続いていたが、今季は開幕から奮闘した。持ち味の鋭いスライダーと直球を武器に、首脳陣の信頼を勝ち取り、勝ちパターン入り。チーム最多の60試合に登板して防御率2.36の好成績を残すなど、大きな飛躍を遂げる一年となった。

 開幕から安定した働きを見せていた堀投手は、交流戦前後で一時調子を崩すも、7月は全4登板を無失点に抑えてホールドを記録。続く8月は一転して被打率.323と打ち込まれたが、9月は9登板で9H、防御率0.00と上々の内容を見せた。終わってみれば42HPでトップとなり、2位には8HPと大差をつけてNPB最年少となる23歳での最優秀中継ぎ獲得となった。

初タイトルをつかんだ選手たち。来季以降も同じパフォーマンスを発揮していけるか

 今季はブレイクを果たした杉本選手を中心に、打者の初受賞が目立った。今回初タイトルをつかんだ選手たちは、来季もタイトル争いを演じられるのか、それとも初タイトルとなる選手が新たに現れるのか。彼らの今後に注目していきたい。

文・和田信

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