三塁で覚醒した7年目、ロマン溢れる高卒2年目…… 前半戦首位・オリックスの“嬉しい誤算”

Full-Count

2021.8.10(火) 07:00

オリックス・宗佑磨(左)と紅林弘太郎※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
オリックス・宗佑磨(左)と紅林弘太郎※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

高卒7年目の宗が三塁のレギュラーに定着、メジャー顔負けの好守を連発

 前半戦首位ターンを決めたオリックス。2年連続最下位に低迷していただけに、ファンにとっては“嬉しい誤算”とも言えるかもしれない。だが、運だけで勝ち上がることができるほど戦国パ・リーグは甘くはない、そこには確かな選手の成長があった。

 4番に定着した杉本裕太郎外野手、高卒2年目でリーグトップタイの9勝をマークしている宮城大弥投手の活躍は言うまでもない。守護神の固定などリリーフ陣に課題は残っているが、野手では三遊間を固定できたことが大きかった。

 これまで外野手として起用されることもあった宗佑磨内野手。入団当時から抜群の身体能力を評価されていたがレギュラーに定着することはなかった。だが、7年目の今季は三塁手として強肩と鮮やかなグラブ捌きを武器にメジャー顔負けの好守を連発。すでにキャリアハイとなる84試合に出場し、打撃でも打率.262、5本塁打22打点の好成績をマーク。出塁率の高い1番・福田周平内野手の後を打つ2番として3番・吉田正、4番・杉本に繋ぐ役割をこなしている。

高卒2年目の紅林は遊撃で開幕スタメン、我慢の起用に応える

 そして長年、遊撃手を定位置としていた安達了一内野手からその座を奪ったのが紅林弘太郎内野手だ。遊撃のポジションで開幕スタメンを勝ち取ると、序盤は1軍の雰囲気に圧倒される場面もあった。だが、中嶋監督が使い続けたことで現在は固さが抜け、フィールディングの正確性は格段にアップした。

 打率は.214と物足りないが、パンチ力のある打撃で5本塁打26打点と“ロマン”を感じさせるものがある。この経験が後半戦、そして将来的にも生きれば待望の大型遊撃手として期待が持てそうだ。

 前半戦の誤算といえば守護神候補だったディクソン、今シーズン古巣復帰したロメロが退団。だが、コロナ禍での“助っ人事情”は他球団も同じ。後半戦の起爆剤として野手ではマイナー通算70本塁打のラベロ、メジャー通算52試合に登板した長身右腕スパークマンを獲得した。

 五輪期間のエキシビジョンマッチでは若手たちがチャンスを得て、後半戦の1軍出場を狙っている。激しいチーム内の競争と共に勝利を重ねる中嶋オリックス。1996年以来、25年ぶりのリーグ優勝を実現したいところだ。

(Full-Count編集部)

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