先発の松本が1失点と粘投すると嘉弥真、津森、泉、岩嵜、モイネロが無失点リレー
■福岡ソフトバンク 3ー1 埼玉西武(9日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクは9日、本拠地PayPayドームで行われた埼玉西武戦に3-1で逆転勝ちした。先発の松本ら投手陣が埼玉西武を1点に抑えると、苦しんでいた打線が終盤に逆転。主砲の柳田が7回に決勝の勝ち越し適時打を放ち、苦しみながらも4試合ぶりの白星を掴んだ。
同点で迎えた7回2死三塁のチャンスで待望の一打が飛び出した。主砲・柳田が埼玉西武3番手の小川から右前適時打。勝ち越しの一打はチームにとって25イニングぶりとなるタイムリー。重苦しい雰囲気を吹き飛ばし、球場をピンクに染めた「タカガール・デー」を勝利で飾った。
この勝利で大きな働きを果たしたのが、ホークス最大の武器であるリリーフ陣だった。先発の松本が5回まで1失点と粘投。1点ビハインドの6回1死で中村に四球を与えると、すかさず工藤公康監督は継投策を選択した。栗山に嘉弥真をぶつけて空振り三振に切ると、山川には津森を投入。こちらも空振り三振に仕留め、その後の反撃に繋げた。
6回に同点に追いつくと、7回は泉が3人斬り。その裏に勝ち越しに成功すると、8回は岩嵜、9回はモイネロが抑えた。指揮官も「よかったですね、みんな。思い切って一人一殺で使うことできましたし、リリーフ陣がしっかりと投げることで試合も締まってくる。今日の試合の大事さを理解してくれていた」と称賛していた。
石川が8回、マルティネスが7回を投げたことでリリーフ総動員が可能に
この日のリリーフ陣の働きはもちろん重要だった。さらに言えば、試合には勝てなかったものの、7日に先発した石川柊太投手、8日のニック・マルティネス投手の好投も、この日の勝利に大きな役割を果たした。
石川は今季最長の8回を投げて2失点、マルティネスも7回を投げて2失点と、ともにハイクオリティスタート(HQS)と先発投手としての役割を存分に果たした。2人の力投のおかげで、この埼玉西武3連戦ではリリーフ陣を酷使せずに済んでいた。
「今日は投手全員いけるというところだった。雰囲気も悪くなってきていたので、リリーフ陣がなんとか頑張ってくれたら、一人一殺と考えていたので、6回はあそこが1番大事と出させていただきました。(一昨日、昨日からの)繋がりもあるでしょう。注ぎ込んでいれば、今日投げられない投手もいたかもしれない。石川くん、マルティネスが長いイニング投げてくれたのは大きいと思います」
試合後の工藤公康監督はこう語り、石川とマルティネスの好投を改めて称えた。お立ち台に上がったのは柳田と泉だったが、4試合ぶりの勝利には、勝利投手にはなれなかった2人の先発投手の貢献もあったと言えるだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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