9安打11残塁の拙攻も「少しずつ前に進んでいる」
■埼玉西武 4ー2 福岡ソフトバンク(4日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクは4日、PayPayドームでの埼玉西武戦に2-4で敗れ、今季初の同一カード3連敗を喫した。開幕4連勝からの5連敗となり、9試合目で黒星が先行。先発の和田毅投手は6回4失点。6回に埼玉西武のドラフト1位ルーキー渡部健人内野手に浴びたプロ初安打となる2ランが最後まで響いた。
4連勝という最高のスタートを切りながら、一気に5連敗。山川穂高、栗山巧という主力打者を欠く埼玉西武を相手に苦杯を嘗めた。しかも石川柊太、高橋礼、和田毅の“表ローテ”3人に黒星がつき、終始埼玉西武にペースを握られての連敗だった。
工藤公康監督は「我慢するところはしないとね」とポツリ。その上で「少しずつ感じを掴みかけているバッターもいるし、1人のバッターが複数安打するようにもなってきた。あと1本というところにはなったが、形はできるようになったので少しずつ前に進んでいると思う」と、3度の満塁機を作った打線を前向きにとらえた。
先発の和田が献上した6回の渡部の2ランは、甘く入ったカーブを見事に運ばれた。指揮官は「まだ話はしていないが」と前置きした上で「打たれることはある。大事なのはバッテリーがどうしようと思っていたのか。それまではインサイドのストレートにまったく合っていなかったけど、6回になって多少球威が落ちてきたからあのボール(カーブ)を選択したということなんだと思う」と分析した。さらに「今日1軍に上がってきて(打者の)データがないというのはあるかもしれないが、合うボール、合わないボールをしっかりと見極めて投げていくことが大事。ただ、あの失投を打ったのは『お見事』だと思う」とルーキーを称えた。
6日からは北海道に移動して北海道日本ハムとの3連戦。先発には千賀滉大、中継ぎにはモイネロが合流する予定だ。「戻ってくるのはほぼほぼ投手なので、野手は今がベストに近いメンバー。その辺がしっかり機能することと投手との兼ね合いがうまくいくことが勝利に近づく。反省することは大事だが、前を向けない反省は意味がない。反省して、そのうえでしっかり前を向けるようにやってほしい」と期待。エースとセットアッパーの復帰と打線の復調の兆しを、北の大地での巻き返しに繋げていく。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
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