【MLB】スプリットの使い手・平野佳寿に追い風 Dバックスが導入した“新兵器”とは

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2018.4.30(月) 13:32

防御率1.46と獅子奮迅の働きを見せているダイヤモンドバックス・平野佳寿
防御率1.46と獅子奮迅の働きを見せているダイヤモンドバックス・平野佳寿

Dバックスのホール社長が明かすヒュミドールの導入

ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手はメジャー1年目の今季、ここまで中継ぎとして13試合に登板し、2勝6ホールド、防御率1.46と獅子奮迅の働きを見せている。決め球のスプリットでメジャーの強打者を撫で斬りにしているが、強豪揃いのナ・リーグ西地区で首位を独走するチームが、平野が誇る宝刀の威力を際立たせる秘密兵器を今季から導入していることが明らかになった。

「ヒラノさんのスプリットは必殺の球だ! 我々は今年から球場にヒュミドール(湿度調節器)を導入しておいた。彼にとってもいいことだろう。ボールが滑りづらくなる効果もあるのではないか」

こう語ったのはダイヤモンドバックスのデリック・ホール社長だった。本拠を置くアリゾナ州は砂漠地帯で、平野自身も「最初は喉が痛くなった」と語ったほど極度の乾燥状態にある。大気の乾燥からメジャー公式球の表面が滑りやすくなり、エンゼルスの大谷翔平投手もスプリングトレーニング中に同州テンピではスプリットの制球に苦しんでいた。

元々NPBの公式球よりも滑りやすいとされるメジャー公式球。さらに滑りやすい状況を生むアリゾナは、スプリットやフォークを使う日本人投手にとっては鬼門とも呼べるが、今季から平野にとっては格好の秘密兵器が本拠地チェースフィールドに導入された。

ヒュミドールとは湿度調整器のこと。今季から球場に新設された10畳程度の特別室には湿度調整器が置かれ、その中にメジャー公式球を敷き詰めて乾燥状態から防いでいるという。フライボール革命と呼ばれるほどホームラン数が激増するメジャーで、投手に不利な状況を避ける狙いもある。

高地を本拠地とするロッキーズに続く湿度調整器の導入

「ダイヤモンドバックスがヒュミドールを導入するのは球団史上初。これまではロッキーズが導入してきた。ホームランも出ているが、1年間を通じて、これまでとどのような違いを生み出していくのか。データを注視していきたい」

ダイヤモンドバックスでデリック・ホール球団社長特別補佐を務めているルイス・ゴンザレス氏も続ける。2001年のワールドシリーズ第7戦でヤンキースの守護神マリアーノ・リベラからサヨナラ打を放ち、ダイヤモンドバックスを世界一に導いた英雄は、標高1600メートルで空気抵抗の少なさから飛距離が出やすいロッキーズの本拠地クアーズフィールドに続く、湿度調整器の導入となったと説明している。

さらにゴンザレス氏は「我々は多くの日本人投手にとってスプリットが強力な決め球だと知っている。メジャーの打者もそれを誰よりも痛感している。だからこそ、打者はスプリットの使い手と対戦する時は、最初から積極的にバットを振っていく。追い込まれるとスプリットで三振を取られてしまう恐怖心があるからだ。日本でヒラノに成功をもたらし続けたスプリットは、ここでも効果抜群だと思う」と、新戦力について高く評価した。

宝刀スプリットの切れ味に安定感を期待させるチェースフィールドの湿度調整器。首位ダイヤモンドバックスの2年連続プレーオフ進出に向け、追い風となりそうだ。

記事提供:Full-Count

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