【2025年 ナ・リーグ編】前年王者に佐々木朗希が加入 MLBに在籍する日本人選手

パ・リーグ インサイト 鈴木優

2025.3.26(水) 11:00

ドジャー・スタジアム【撮影:鈴木優】
ドジャー・スタジアム【撮影:鈴木優】

 今年、新たに4選手がNPBからMLBに挑戦した。実際に、現地でも日本人選手に対する評価は確実に上がってきていると感じるし、タイトルに絡むような選手が出てきていることも日本人として誇らしいところだ。

 今回はロサンゼルスに在住の私、鈴木優が、ナ・リーグに所属する選手を紹介していく。

 ア・リーグに比べると人数が多く、今年は10人(NPB在籍経験のある選手のみ)。全体的に投手は気候がよく、住みやすい西海岸を選ぶ傾向が高くなってきていることが理由の一つにあるかもしれない。

 注目はやはりドジャースだろう。ワールドシリーズ制覇を果たして迎える今季は、佐々木朗希投手らスター選手の補強に成功し、万全な体制で連覇に挑む。そこに、ダルビッシュ有投手、松井裕樹投手らが在籍するパドレスなどライバルチームが、どこまで食らいつけるか注目したい。

◇ア・リーグ編はこちら

(青)ナ・リーグ 日本人選手の分布 ※マイナー契約の選手もメジャーの本拠地で表示 ⓒPLM
(青)ナ・リーグ 日本人選手の分布 ※マイナー契約の選手もメジャーの本拠地で表示 ⓒPLM

大谷 翔平/Shohei Ohtani
ロサンゼルス・ドジャース(LAD)
背番号:17
生年月日:1994年7月5日(30歳)
身長/体重:193cm/95kg
投打:右投左打
現チーム加入年:2024年
契約:10年総額7億ドル
2024年成績
打率.310 54本塁打 130打点 59盗塁 OPS1.036
寸評:ドジャース加入後2年目のシーズン。昨年は右肘手術のため打者専念となったが、本塁打、打点のタイトルを獲得し、自身3度目のMVPを受賞。史上初となる50-50も達成した。二刀流で挑む今年、投手復帰はまだ先になる見通しだが、個人的にはサイ・ヤング賞と本塁打王のダブル受賞といった、さらなる前人未到の記録に期待したい。

山本 由伸/Yoshinobu Yamamoto
ロサンゼルス・ドジャース(LAD)
背番号:18
生年月日:1998年8月17日(26歳)
身長/体重:178cm/80kg
投打:右投右打
現チーム加入年:2024年
契約:12年総額3億2500万ドル
2024年成績
7勝2敗 防御率3.00 105奪三振 WHIP1.11
寸評:昨年はシーズン途中にケガで離脱する時期もあったが、後半戦で復帰し、ポストシーズンではエース級の働きを見せワールドシリーズ制覇に貢献した。なかでも、パドレスとのディビジョンシリーズ第5戦では「人生一緊張した」と語る。そんな試合を乗り越えて迎える2年目のシーズン。MLB東京シリーズでは開幕投手を務めて初勝利を挙げ、順調なスタートを切った。昨年よりもカットボール、ツーシームの割合を増やし、投球の幅を広げたい。

ダルビッシュ 有/Yu Darvish
サンディエゴ・パドレス(SD)
背番号:11
生年月日:1986年8月16日(38歳)
身長/体重:196cm/100kg
投打:右投右打
現チーム加入年:2021年
契約:6年総額1億800万ドル
2024年成績
7勝3敗 防御率3.31 78奪三振 WHIP1.07
寸評:MLB14年目、39歳を迎えるシーズン。大ベテランながら、年齢を感じさせないピッチングで昨年は日米通算200勝を達成。さらに、黒田博樹氏に並ぶ歴代1位の日米通算203勝にも到達した。しかし、本人は「自分の成績よりもチームの勝利が大事」と語る。今シーズンもローテーションの核となり、同地区にいる最強ドジャースを倒してワールドシリーズ優勝を狙う。

松井 裕樹/Yuki Matsui
サンディエゴ・パドレス(SD)
背番号:1
生年月日:1995年10月30日(29歳)
身長/体重:173cm/75kg
投打:左投左打
現チーム加入年:2024年
契約:5年総額2800万ドル
2024年成績
4勝2敗 9ホールド 防御率3.73 69奪三振 WHIP1.16
寸評:昨シーズンは移籍1年目ながら64試合に登板。東北楽天に在籍していたときとは異なり、さまざまな場面で登板しチームを支えた。同じ左投手だった勝ちパターンのリリーフ、タナー・スコット投手がドジャースに移籍したことで、よりチームからの期待は高まるだろう。シーズン中によく実現する、打者・大谷選手との対戦も見どころ。

鈴木 誠也/Seiya Suzuki
シカゴ・カブス(CHC)
背番号:27
生年月日:1994年8月18日(30歳)
身長/体重:180cm/83kg
投打:右投右打
現チーム加入年:2022年
契約:5年総額8500万ドル
2024年成績
打率.283 21本塁打 73打点 16盗塁 OPS.848
寸評:昨年は日本人右打者初となる2年連続の20本塁打、3年連続2桁本塁打を達成。今年も主力としてチームを引っ張るだろう。気になる点は、指名打者としての起用が多くなっていること。NPBで三井ゴールデン・グラブ賞を毎年のように獲得していた選手なだけに、守備でもしっかり評価されてほしい。

今永 昇太/Shota Imanaga
シカゴ・カブス(CHC)
背番号:18
生年月日:1993年9月1日(31歳)
身長/体重:178cm/79kg
投打:左投左打
現チーム加入年:2024年
契約:4年総額5300万ドル
2024年成績
15勝3敗 防御率2.91 174奪三振 WHIP1.02
寸評:昨年はMLB挑戦1年目ながらチーム最多の15勝をマークし、ローテーションを守り切った。ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票5位、オールスターにも選ばれるなどスーパースターの仲間入り。特徴である、スピンの効いた高めに伸び上がるストレートは、メジャーでも大きな武器となることがわかったので、今年はタイトル獲得に期待。東京シリーズでは開幕戦で山本投手との投げ合い、4回無失点と最高の滑り出しに成功している。

千賀 滉大/Kodai Senga
ニューヨーク・メッツ(NYM)
背番号:34
生年月日:1993年1月30日(32歳)
身長/体重:185cm/92kg
投打:右投左打
現チーム加入年:2023年
契約:5年総額7500万ドル
2024年成績
1勝0敗 防御率3.38 9奪三振 WHIP0.56
寸評:昨シーズンはケガの影響もあり1登板のみに終わったが、2年前のデビュー年の活躍はファンの心に刻まれ、武器の「お化けフォーク」の名称はアメリカの地でも広まっている。キャンプでは順調な調整ができているようで、新人王投票2位だったルーキーイヤーのような、エース級の活躍を求められている。フアン・ソト選手の獲得などチームの戦力は揃っているため、昨年ポストシーズンで敗れた悔しさを糧にワールドシリーズ制覇へ挑む。

小笠原 慎之介/Ogasawara Shinnosuke
ワシントン・ナショナルズ(WSH)
背番号:16
生年月日:1997年10月8日(27歳)
身長/体重:180cm/93kg
投打:左投左打
現チーム加入年:2025年
契約:2年総額350万ドル
2024年成績(NPB)
5勝11敗 防御率3.12 82奪三振 WHIP1.20
寸評:オフにポスティングシステムを利用し、交渉期限直前にナショナルズと契約合意。オープン戦初登板となった試合では、わずか5球で1イニングを抑え初勝利もゲットしたものの、以降は失点を重ねてマイナーに。平均球速はメジャー平均より劣るが、持ち味のコントロールと技巧派なピッチングでメジャー再昇格を果たし、昨年の今永投手の活躍に続きたい。

佐々木 朗希/Roki Sasaki
ロサンゼルス・ドジャース(LAD)※マイナー契約
背番号:11
生年月日:2001年11月3日(23歳)
身長/体重:192cm/92kg
投打:右投右打
現チーム加入年:2025年
契約:マイナー契約
2024年成績(NPB)
10勝5敗 防御率2.35 129奪三振 WHIP1.04
寸評:最速165km/hを誇る令和の怪物が、ついにアメリカへ渡った。ポスティング制度のルール上マイナー契約ながら、開幕ロースター入りを果たし、東京シリーズ2戦目でMLBデビュー。昨年の優勝チームということだけあって層は厚いが、本来の力を出せば間違いなく新人王も狙える。まずはケガなく一年間ローテーションを守りたい。個人的にはストレート、フォークというメインの2球種でどこまで活躍できるかという点も注目だ。

青柳 晃洋/Koyo Aoyagi
フィラデルフィア・フィリーズ(PHI)※マイナー契約
背番号:31
生年月日:1993年12月11日(31歳)
身長/体重:183cm/83kg
投打:右投右打
現チーム加入年:2025年
契約:マイナー契約
2024年成績(NPB)
2勝3敗 防御率3.69 35奪三振 WHIP1.43
寸評:NPBで最多勝を2回獲得した右腕がメジャーに挑戦。今までの日本人選手としては珍しい変則のサイドスローで、マイナー契約ながらチームからは大きな期待をされている。キャンプ中のライブBPでは制球に苦しむ部分もあったが、同チームのブライス・ハーパー選手が絶賛するシーンもあった。アピールを続け、まずはロースター入りを狙う。

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