杉山一樹(すぎやま・かずき)/投手
#40/1997年12月7日生まれ
193cm・102kg/右投右打
静岡・駿河総合高校から三菱重工広島を経て、2019年ドラフト2位で福岡ソフトバンクに入団。高校時代、最後の夏は静岡大会で初戦敗退と悔しい結果に終わり、社会人野球の道へ。三菱重工広島では、3年目に都市対抗の補強選手として全国デビュー。150km/h超の直球を連発し、鮮烈なインパクトを与えてのプロ入りとなった。
杉山投手の持ち味は豪快さである。193cm・102kgの恵まれた体格から最速157km/hの速球を連発するパワフルな投球スタイルで相手打者を寄せ付けず、スライダー、カーブなどの変化球も曲がりが鋭く「三振の取れる」本格派だ。常に強気なマウンドさばきも魅力的で、ランナーを出しても動じないそのふてぶてしさも大きな武器のひとつである。
そんな杉山投手だが、ここ2年は悔しいシーズンを過ごしてきた。ルーキーイヤーの2019年は、キャンプA組スタートもプレー中に足を痛め、リハビリ組へ。4月にウエスタンで実戦復帰するも、一軍ではわずか2試合の登板に終わった。同年オフにプエルトリコのウインターリーグに参加。好成績を残して飛躍への期待感を持たせた。
迎えた2020年は、ファームで14試合に登板し60回を投げて規定投球回に到達。リーグトップの83奪三振をマークし4勝4敗、防御率2.55と好成績を収めた。一軍でも11試合で16.2回22奪三振、防御率2.16という成績を残し、着実にステップアップを遂げている。「SMBC日本シリーズ2020」でも第2戦に登板し、1回無失点で貴重な経験を積んだ。
豪快な速球とそのメンタリティーには魅力たっぷりだが、課題は制球力と安定感。ファームでも、60回を投げ27四死球という数字は改善の余地があるといえよう。四死球を減らし、安定したパフォーマンスを続けられるかが飛躍のカギとなりそうだ。丑年の今年、年男を迎える未完の大器はついに花開くか。
【2020年一軍成績】
11試合0勝0敗1H 16.2回 22奪三振、防御率2.16 WHIP1.26
文・岩井惇
杉山投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事
・福岡ソフトバンク・田中正義、杉山一樹、三森大貴。 プエルトリコは彼らにどんな気づきを与えたか。ウインターリーグ奮闘記
2019年オフにプエルトリコのウインターリーグに参加した杉山投手。異国で野球と向き合う日々を過ごした杉山投手が得たものとは。
・チーム防御率12球団唯一「2点台」の鷹。王者の所以は投手陣にあり【福岡ソフトバンクホークス2020:投手編】
2020年のホークスを振り返るシーズンレビュー。杉山投手も期待の若手のひとりとして挙げられている。
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