宮川哲~強力ブルペン陣で躍動するタフネスリリーバー~(埼玉西武ライオンズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト 成田康史

2021.2.17(水) 18:30

埼玉西武ライオンズ・宮川哲投手(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・宮川哲投手(C)パーソル パ・リーグTV

宮川哲(みやがわ・てつ)/投手

#15/1995年10月10日生まれ
177cm・83kg/右投右打


 東海大山形高校から上武大、社会人・東芝を経て2019年のドラフト1位で埼玉西武に入団した宮川哲投手。150キロを超える直球に加え、「パワーカーブ」と呼ばれる130キロ前後のカーブ、さらにカットボールやフォークを交え、投げっぷりの良い投球で打者と向かっていく右腕だ。

 高校時代に甲子園の出場はなかった宮川投手だったが、上武大学に進学すると1年生の秋には公式戦に登板。4年時には春秋の2季で9勝0敗、防御率は0点台と圧巻の成績を残してドラフト候補となる。しかしこの年のドラフトでは指名されず、社会人野球の名門・東芝へと進んだ。東芝では同じ年のドラフトで中日に進んだエース・岡野祐一郎とともに主戦投手として奮闘。都市対抗野球や日本選手権の舞台を踏み、プロへの門戸を開いた。

 キャンプ終盤の2月下旬、右太ももの張りを訴えてA班からの離脱を強いられた宮川投手だが、感染症の影響によってシーズンがずれ込んだことも幸いし開幕一軍の切符を手にする。開幕2戦目に早くもプロ初登板を迎えると、北海道日本ハム・大田泰示選手から初奪三振を記録するなど、1回無失点でデビュー戦を飾った。

 その後、シーズン序盤はビハインドや試合前半での登板が続き、7月は防御率6.14、8月も4.15とプロの打者との対戦に苦しんだ宮川投手。しかし9月に入ると徐々に本領を発揮し、8試合、6.1回を投げて7奪三振、防御率1.42と好成績を記録。続く10月にはプロ初勝利を含む2勝を挙げ、シーズンが深まる中で段々と信頼をつかみとっていった。

 今季成績は49試合2勝1敗、44.2回、45奪三振、防御率3.83。1年目としては上出来の数字だが、ドラフト1位としての期待に対して十全に応えたとは言い難いところだろう。自身が来季の目標について「四球を減らす」と語る通り。課題は制球力。48試合に登板した守護神・増田達至投手がシーズンを通して10個にとどまっているだけに、身近な目標に近づいて行きたいところだ。一方で、2020シーズンの被本塁打はわずかに1本。10月3日に千葉ロッテ・福田秀平選手に浴びるまでは、開幕から37試合連続で被本塁打がなかった。救援投手としてこの上ない魅力である「一発を浴びない投球」を武器に、来季も強力ブルペン陣の一翼を担う。

【2020年一軍成績】
49試合2勝1敗13H 44.2回 45奪三振、防御率3.83 WHIP1.54


文・成田康史

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ビハインドの展開の中、 ピンチを招くも粘り強くしのいだ宮川投手。直後に打線が逆転に成功し、37試合目にしてプロ初勝利を手にした。右腕が嬉しい初勝利を手にした一戦を振り返る。

☆宮川哲投手の動画はこちらから!

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パ・リーグ インサイト 成田康史

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