木村文紀(きむら・ふみかず)/外野手
#9/1988年9月13日生まれ
183cm・87kg/右投右打
2006年の高校生ドラフトで投手として1巡目指名を受け埼玉栄高校から埼玉西武に入団。高校時代は甲子園の出場経験こそなかったものの、最速148km/hを誇るストレートと高校通算33本塁打の打力を持ち合わせる強打のエースとして、投打で注目を集めた。背番号も当時の渡辺久信監督が現役時代に背負っていた「41」番が与えられ、将来のエース候補として大きな期待が寄せられていた。
投手としては1年目から一軍のマウンドに上がったが、故障や制球難に苦しみプロ入り4年間で1勝もできず。5年目の2011年にはプロ初勝利を手にしたものの、2012年に腰痛の影響で投手生活に幕を閉じることになった。そして、同シーズン途中から外野手としてのキャリアをスタートさせる。
すると、すぐさま類まれなる潜在能力の高さを見せつけ、2013年にプロ初本塁打・初打点を記録。2014年には開幕スタメンの座を手中に収めると、100試合の出場で10本塁打、16盗塁の成績を残し、野手転向実質2年目ながら2桁本塁打・盗塁を記録。パンチ力と俊足を武器に外野陣の一角に名乗りを上げた。
翌年以降は打撃の確実性が上がらず出番が限られていたが、2019年に2年ぶりの開幕スタメンを勝ち取る。右翼の定位置を獲得し130試合に出場、5年ぶりとなる2桁本塁打・盗塁をマークするとともに、リーグトップタイとなる9補殺を記録。2度の好走塁でサヨナラ勝利を呼び込むなど走攻守において存在感を示し、リーグ連覇に貢献した。
2020年は開幕直後の6月26日に福岡ソフトバンク戦で逆転満塁ホームランを放つなど、印象的な活躍を見せた。腰痛で一時離脱はあったものの、90試合で8本塁打、打率.231をマーク。特に左投手からは打率.303と好成績を残した。2021年でプロ15年目、野手転向から8年目を迎える苦労人は、あらゆる場面での活躍が期待される。
【2020年一軍成績】
90試合 301打席61安打8本塁打33打点 打率.231 出塁率.295 OPS.677
文・和田信
木村選手をもっとよく知るために。パ・リーグインサイトの過去の記事
・埼玉西武木村、全力疾走で呼び込んだ“サヨナラ打” 「ヒットにしておいてくださいね」
2019年9月15日の千葉ロッテ戦、延長11回裏に木村選手は打席に入った。外野に飛んだフライを相手外野手が見失い、さらに交錯によって落球すると、一気に本塁まで駆け抜けホームイン。記録上は失策となったが、木村選手の隙のない好走塁が呼び込んだサヨナラ劇だった。
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