涌井秀章~美しすぎるフォームと魅惑の投球術。NPB史上初の3球団最多勝右腕~(東北楽天ゴールデンイーグルス)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト

2021.2.9(火) 14:00

東北楽天ゴールデンイーグルス・涌井秀章投手(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・涌井秀章投手(C)パーソル パ・リーグTV

涌井秀章(わくい・ひであき)/投手

#16/1986年6月21日生まれ
185cm・85kg/右投右打


 横浜高校から2004年のドラフト1位で埼玉西武に入団。2007年に最多勝のタイトルを初めて手にすると、移籍した千葉ロッテでも自身3度目となる最多勝を獲得した。そして2020年から在籍する楽天で11勝をあげて最多勝を獲得し、プロ野球史上初となる「3球団での最多勝」の快挙を達成した。

 高校時代、2年春に出場した選抜大会では1学年上の成瀬喜久投手(現・BC栃木投手兼投手コーチ)とともに準優勝を果たし、3年夏の甲子園には大会屈指の好投手として出場してベスト8進出に貢献した。ルーキーイヤーから開幕一軍入りを経験し、その年の6月18日ヤクルト戦でプロ初勝利を挙げると冷静なマウンドさばきで白星を積み上げ、2009年には最も活躍した投手に贈られる『沢村賞』を受賞。北京五輪(2008)とWBC(2009・2013)に日本代表として出場した。

 マウンドに上がると表情を変えずに、まるで一人の世界に入ったかのように淡々と投げ込む。美しい投球フォームから繰り出される伸びのある直球と抜群のキレを誇る変化球は年々磨きがかかる。プロ入り16年目の2020年は、『沢村賞』を受賞した2009年の勝率.727を上回る勝率.733で自身最高を記録。8月5日の福岡ソフトバンク戦では強力ホークス打線を9回1死までノーヒットで抑える貫禄の投球をみせた。そんなポーカーフェイスの涌井が2011年のCSファイナルステージ第3戦で涙した姿は、胸に秘める熱い思いが垣間見えた瞬間としてファンの記憶に残っているのではないだろうか。

 涌井投手の繊細な投球は、マウンドでの仕草にもあらわれる。投球フォームに入るまでの仕草、踏み出す足の歩数を確認する仕草、滴る汗をぬぐう仕草、すべてにおいて妖艶である。

 パ・リーグ3球団に在籍し、プロ16年で先発、中継ぎ、そして守護神を経験した衰えしらずのベテラン。2021年は、埼玉西武時代の2008年にリーグ優勝・日本一を同僚として経験した石井一久GM兼新監督とともに優勝を目指す。冷静沈着でつけ入る隙を与えない投球術は、楽天の2013年以来の優勝に欠かせない。

【2020年一軍成績】
20試合11勝4敗 130回 110奪三振、防御率3.60 WHIP1.14


文・岡絃哉

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パ・リーグが誇る鉄腕・涌井秀章の”すごさ”の迫る
プロ16年間でさまざまなタイトルをものにしてきた。厳しいプロの世界において第一線で長く活躍し続ける涌井投手をデータや記録で振り返り、その実績や特徴を読み解く内容となっている。

☆涌井秀章投手の動画はこちらから!

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