荻野や清田、角中、井上と主力の多くは軒並み30代半ば
2020年のドラフト会議は10月26日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大により甲子園などアマチュア大会の多くが中止になり、スカウト活動も制限された中で迎えるドラフト。果たして各球団はどのような補強戦略を思い描くのだろうか。
ここでは各球団のポジション、年齢別の戦力構成を検証。今年のドラフトで補うべきポイントと、それにマッチするドラフト候補を挙げてみたい。今回はパ・リーグで2位につけ、首位福岡ソフトバンクを追いかける千葉ロッテだ。
パ・リーグ2位につける千葉ロッテはチーム防御率はリーグ2位、対して、チーム打率はリーグワーストだ。地元・千葉の木更津総合出身の早大・早川隆久投手の1位指名を公表したが、年齢構成の上で見ると、チームの課題は野手の層にもありそうだ。
年齢層構成を見ると主力野手の多くは30歳代。荻野貴司は35歳、清田育宏は34歳で、レアード、角中勝也が33歳。井上晴哉と福田秀平も32歳と、全体的に高齢化が進んでいる。内野は藤岡裕大、中村奨吾の二遊間は安定しており、三塁も安田尚憲が一本立ち。外野には藤原恭大や和田康士朗といった期待の若手もいるが、将来を考えると厚みを加えたいところ。
投手はバランスがいい構成も、左腕の充実が課題か
投手陣に目を移してみよう。右投手は全体的にバランスが取れている。先発では二木康太や種市篤暉(トミー・ジョン手術を受けた)、岩下大輝らイキのいい存在がいる。さらには佐々木朗希や古谷拓郎といった次代を担う大器も控える。現在チームの中心を担う石川歩や益田直也もまだ30歳代前半で補強の緊急性は低い。
左投手では今季は小島和哉、中村稔弥と24歳の2人が先発ローテ入りしたが、中継ぎを含めてやや手薄な印象。その左投手の層を厚くさせる早川の指名を決めた。捕手は正捕手の田村龍弘が26歳、控えの柿沼友哉が27歳、江村直也が28歳と比較的若い。昨年のドラフトでも佐藤都志也を指名しており、必要性は低いか。
1位指名を公表したものの、早川は複数球団が競合する可能性もある。早川の交渉権を獲得した場合は2位以下や、抽選に外した場合の外れ1位として、早川と同じ左腕のENEOSの藤井聖投手や、高齢化が進む外野の中でも特に薄い右打者としてJFE東日本の今川優馬外野手らも候補になるか。
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