鈴木優~ドラフト9位指名から苦節6年。都立高卒初の一軍勝利をつかんだ「都立の星」~(オリックス・バファローズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト

2020.7.15(水) 17:00

オリックス・バファローズ 鈴木優投手(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・バファローズ 鈴木優投手(C)パーソル パ・リーグTV

鈴木優(すずき・ゆう)/投手

#68/1997年2月5日生まれ
181cm・83kg/右投右打


 都立雪谷高校から2014年ドラフト9位でオリックスに入団。「都立の星」として注目されたルーキーイヤーの2015年は、二軍で主に中継ぎとして30試合に登板し経験を積んだ。一軍では9月30日の埼玉西武戦でプロ初登板を果たしたが、1アウトしか取れず2安打2失点とプロの洗礼を受けた。翌年の2016年も1試合に登板したが5失点。2017年、2018年は登板機会に恵まれなかった。

 一軍でこそ出番がなかった鈴木優投手だったが、二軍では着実に実力をつけていく。2017年、2018年と中継ぎとして30試合以上に登板し、いずれも防御率2点台を記録した。そして2019年シーズン序盤は二軍で時に先発を務めながら13試合で3勝0敗、防御率0.77と好成績をマーク。ついに一軍から声がかかり、7月10日の楽天戦に先発として2年ぶりの登板。2回を1失点に抑えたが、その後の登板はなかった。

 その後は二軍で主に先発を任され、最終的には22試合6勝3敗、防御率2.81という成績でシーズンを終えた。オフにはチームメイトのT-岡田選手、漆原大晟投手とともにプエルトリコのウインターリーグに参加。異国の地で自身の投球と向き合い、2020年シーズンへ腕をみがいた。

 迎えた6年目の2020年シーズン。開幕は二軍スタートだったが、6月26日に一軍に昇格し、同日の千葉ロッテ戦で先発した山岡泰輔投手の緊急降板を受けてシーズン初のマウンドに立った。その次の週には埼玉西武戦で先発し、5回を無安打7奪三振無失点に抑える好投を披露。この登板で都立高校から直接プロ入りした選手としては史上初となるプロ初勝利を挙げ、連敗中のチームを救った。2020年シーズン開幕前にはアピールチャンスが雨で2度も流れるなど、決して順風満帆とはいかなくとも確実に歩みを進めた鈴木優投手。「都立の星」として、6年目にようやくつかんだプロ初勝利は、その努力の証だろう。

 しかし、以降は思うような投球を見せることはできず。最終的には13試合の登板で防御率6点台と課題の残るシーズンとなった。2021年は一軍に定着を果たし、先発・中継ぎ問わず与えられた役割を全うしていきたい。

【2020年一軍成績】
13試合1勝3敗2H1S 38.2回 41奪三振、防御率6.52 WHIP1.53


(2021/2/5 追記)

文・丹羽海凪

鈴木優投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事

オリックス・鈴木優が、元MLBの伝説の捕手からプエルトリコで学んだこと
2019年、プエルトリコのウインターリーグに参加した鈴木優投手は、現地で元MLB捕手のイバン・ロドリゲスと出会う。彼との出会いと、日本とはまた一味違った野球体験は、鈴木優投手の活躍を大きく後押しするだろう。

鈴木優が5回0封でプロ初勝利! 吉田正尚に待望の一発も出たオリックスが連敗を「7」で止める
2020年シーズン初先発のマウンドに上った鈴木優投手は、埼玉西武の強力打線を相手に5回まで無安打投球を披露。エースの離脱、さらに7連敗と苦しむチームを救う投球で、プロ初勝利を飾った。これが都立高校から直接プロ入りした選手としては史上初となる白星。「都立の星」として今後も期待していきたい。

☆鈴木優投手の動画はこちらから!

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