中3日で7回無失点の好投 鷹・石川柊太に見る「リズム」「テンポ」の重要性

Full-Count 福谷佑介

2018.4.13(金) 11:58

ソフトバンク・石川柊太
ソフトバンク・石川柊太

8日楽天戦の中継ぎ登板から中3日で先発、2勝目をマーク

チームを救った。12日、ヤフオクドームで行われた北海道日本ハム戦。福岡ソフトバンクに勝利をもたらしたのは、前回登板から中3日で先発のマウンドに上がった石川柊太投手に他ならなかった。

今シーズンの開幕を中継ぎとして迎えていた石川。突如として巡ってきたのはスクランブルでの先発登板だった。開幕投手を務めていた千賀滉大投手が6日の楽天戦で右肘周辺の張りを訴え、7日に登録を抹消。ポッカリと空いてしまったこの日の先発の座を任された。リリーフとして2/3回に投げていた8日の楽天戦から中3日。先発を正式に通達されたのは、北海道日本ハム3連戦の初戦が行われた10日だった。

それでも、石川は抑えた。初回に、大田、西川、近藤を3者連続三振に仕留める圧巻の立ち上がり。2回は2死二、三塁のピンチを招いたが、昨季までのチームメート鶴岡を三邪飛に打ち取った。7回には無死一、二塁とされたが、二塁走者レアードの凡ミスもあって無失点で切り抜けた。7回まで投げ抜いて4安打無失点の好投。中3日だったのにも関わらず、110球を投げた。十分過ぎる内容で今季2勝目をマークした。

「真っ直ぐがよかったんじゃないですかね、感覚的には。真っ直ぐよかった、いい角度で投げられたところがあったので、それがよかった。全体的に変化球でカウントも取れましたし、これがダメだ、使い物にならないという球種がなかったので、的を絞らせないピッチングができたのかなと」。こう自身のピッチングを振り返った右腕。ストレート、変化球ともに状態はよかったが、それ以上にチームにとっていい流れをもたらしたのが、テンポ、リズムだった。

試合時間わずか2時間32分「リズムよくというのは意識していた」

今季、ここまでのホークス先発陣は球数がかさみ、5回前後で100球に達することが多かった。こうなるとテンポは悪く、ゲーム全体としてダラけた空気になる。ただ、この日はそれが一転。北海道日本ハム先発のマルティネスのテンポがよかったこともあって、軽快なリズムで試合は進んだ。

試合時間2時間32分で決着したところにも、それが現れている。こういう流れになると、打線にもいい影響を与える。2回に松田の適時打で1点を先制し、4回には柳田がソロ本塁打を放った。「いつもリズムよくというのは意識していたので、いい形で投げられたので、意識していることが出てよかったですね。自分のリズムがいいから、守る時間が短いと(柳田さんは)言ってくれる。野手のみなさんそう言ってくれるんですけど、それは持ち味だと思っている。リズムよく、テンポよくこれからも投げていけるようにしたい」。投手のリズムというものが大事だと、この日の石川の投球は改めて証明していた。

急遽、中継ぎから先発に回ることになったが、マウンド上では「中継ぎを7回やるイメージですね。1回1回のイメージで入ったので。1人1人リセットしています。感覚的に。長いイニングをと自分の中で思ってしまうと緩む、抜いてしまうところがあるので」と意識して投げていたという。

工藤公康監督は、次回も石川を先発として起用する考えを示した。千賀、和田を欠き、他の先発陣もピリッとしない。その中でこれだけのピッチングを見せれば、当然の選択だろう。昨季も役割を変えながらチームの台所事情を救った石川柊太。今季もまた、ホークス投手陣の救世主となるだろう。

記事提供:Full-Count

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