6月19日の開幕に向け、6月2日から始まった練習試合。「パ・リーグ インサイト」では、6月2日から6月16日までに行われた練習試合の成績を独自に集計した。開幕直前、各球団の投手陣の仕上がりをチェックだ。
※当ランキングは独自に集計したものであり、実際の数値とは異なる場合がございます。
シーズンを占う開幕戦。パ球団の開幕投手の調子はいかに
北海道日本ハム・有原航平投手は2試合に登板、8回を投げ5安打無失点と順調な様子だ。オリックス・山岡泰輔投手も12回を投げ5安打のみで2失点とこちらも好調。楽天・則本昂大投手は代名詞の奪三振が2つというところが気になるが、失点はソロ本塁打のみと要所を抑えている。初の大役を任された福岡ソフトバンク・東浜巨投手は計6回で4失点とまずまずの結果で練習試合を終えた。
一方で埼玉西武・ニール投手、千葉ロッテ・石川歩投手は打ち込まれる場面が目立った。両投手が最後に登板したのが1週間前の6月12日で、開幕投手の投げ合いとなったがそれぞれ6失点、8失点と課題の残る結果となった。両チームともに打線が活発だが、守りからも良くしていきたいところ。どこまで修正したのか、大事な開幕戦だけに気になる。
同一カード6連戦の命運を担う先発ローテーション
ここでは注目の先発投手の練習試合成績を紹介する。埼玉西武は育成契約から復帰した與座海人投手が初の一軍の舞台で2試合9.1回3失点と結果を残し開幕ローテ入りを果たした。下手投げという特殊なフォームで奪った三振のほとんどが見逃し三振。シーズンでどこまで活躍できるかにも注目したい。先発転向を目指す楽天・松井裕樹投手も2試合で8回3安打1失点と好投でアピール。今季こそローテーションの一角として先発に定着できるか。
練習試合でアピールに成功し開幕ローテーションに入った先発は他にも。福岡ソフトバンク・二保旭投手は3試合を投げ12.2回9安打9奪三振3失点。四死球は7と目立ったが、最小限の失点にまとめている。千葉ロッテ・種市篤暉投手も3試合で10回10安打4四死球9奪三振3失点。オリックスのルーキー・村西良太投手は2試合で6回3安打3四球5奪三振1失点とアピールに成功した。
北海道日本ハムが今季もショートスターターを採用するのかという点も注目だ。昨季、その起用の中で活躍した加藤貴之投手はこの練習試合の期間に2試合で投げ6.1回6安打4四死球2失点という成績を残した。今季も短いイニングの先発となるのだろうか。
今季のカギは中継ぎにあり? 練習試合で登板数の多かった投手は
例年よりも厳しい日程の今季は、リリーフ陣もペナントレースの鍵を握るだろう。ここでは練習試合で登板数の多かった投手をピックアップする。
最も多く登板したのは埼玉西武のギャレット投手。合計で1失点だが8安打とまだまだ不安の残る内容だったが、リリーフを支える一員となりたい。一方、昨年大車輪の活躍をした平井克典投手は5試合に登板し計2安打無失点と安定感を見せた。オリックスは抑えのディクソンら6投手が5試合に登板。今季も安定した投手陣で守り勝つ野球ができるだろうか。福岡ソフトバンクはルーキー・津森宥紀投手が5試合に登板。6月10日の試合では3失点と苦しんだが、それまでに積み重ねた信頼は揺るがず開幕一軍を勝ち取った。
楽天は新外国人のJ.T.シャギワ投手が5試合で無失点と勝ちパターン入りへ大きなアピールを見せた。千葉ロッテはこちらも新加入の小野郁投手、ハーマン投手が5試合に登板。新天地で活躍できるか、期待したいところだ。北海道日本ハムはさまざまな投手を試す形を取り、一番多く登板したのは堀瑞輝投手、公文克彦投手の4試合だった。ルーキーでは、鈴木健矢投手が3試合に登板し、2.1イニングで1失点とアピールし、北海道日本ハムの新人で唯一の開幕一軍を迎える。
3月20日の予定から3カ月遅れての開幕を迎えるプロ野球。交流戦が中止で120試合となり、パ・リーグの前半は同チームと6連戦という変則的な日程で例年とは違う戦い方が要求されるだろう。そのなかで各球団の選手たちがどのような戦いを見せてくれるのか、注目したい。
文・丹羽海凪
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