2月15日、オリックス・バファローズのキャンプ地「宮崎市清武総合運動公園SOKKENスタジアム」で、パ・リーグオフィシャルスポンサーである総合人材サービス「パーソルグループ」によるイベント「フリーRUNS(フリーランス)」が行われた。
「フリーRUNS」はパ・リーグ各球団へのFA移籍体験として、春季キャンプで選手たちの練習をサポートする企画。交通費+宿泊費全額支給の好待遇に加え、賞金1万円と一緒に練習をした選手のサイン入りグッズもプレゼントされるという、夢のようなお仕事だ。今回は、「外野を駆け回り、吉田正尚選手のホームラン性の当たりをキャッチしよう!」というテーマのもと、610件の応募から選ばれた2名が宮崎県に訪れた。
野球経験豊富なオリックスファン2名が「FA移籍体験」
1人目は、小学校から高校まで野球漬けの毎日を過ごしていたという松田義貴さん。同い年だという吉田選手について印象をたずねると、「ホームランが打てないことを身長のせいにしていた自分の考えを変えてくれた選手。お会いできるのが楽しみです!」と、憧れの選手との対面を前に心を弾ませている様子。
2人目は大阪府で整形外科医として働く松枝洋さん。小学校から高校まで選手としてプレー、卒業後は高校野球の監督も経験したという、頼もしい野球歴を持つ。「野球人として唯一の心残りが『プロ野球選手』になれなかったこと。今回の『FA移籍体験』というフレーズにひかれ、ひとかけらでも願いが届くのなら」と、意を決して応募したようだ。
当日はまさかの悪天候。室内練習場で「吉田正尚選手と一緒に打撃練習」をすることに!
当初は「吉田正尚選手のホームランキャッチ」チャレンジが予定されていたが、あいにくの雨模様。場所を室内練習場に移して「吉田正尚選手と打撃練習 フルスイングを体感」を行うことに!
昨季は2年連続のベストナインに選出されるなど、パ・リーグを代表する外野手となった吉田選手。そんな主砲と一緒に打撃練習ができるとあって、2人の顔にも緊張が。
「吉田選手のフルスイングに少しでも近付けるよう、アドバイスをいただきながら一緒に練習させていただければ」と意気込みを語った松田さん。一方の松枝さんは、「吉田選手の記憶に『おっ!!』と残るような時間を過ごせるように頑張ります」と緊張を見せながらも笑顔で話した。
吉田正尚選手が登場。打撃練習の「フリーRUNS」!
午前練習が終わり、ランチタイムに入った室内練習場に吉田選手が登場。参加者2人が緊張しながらも今日の意気込みを語ると、吉田選手は白い歯を見せた。あいさつも済んだところで、早速打撃練習へ。
まずは参加者が吉田選手へトスを上げる。憧れの選手を前にした緊張から、松田さんは初球を体すれすれに投じてしまうが、吉田選手はなんなく打ち返すし、「ここ(真ん中あたり)で!」と笑顔で話しかけると、松田さんの緊張もほぐれてきたようで、初球以降は笑顔で良いトスを上げた。
続けて松枝さんがトスを上げるも、こちらも制球が定まらず。吉田選手の体より前にトスが上がることもあったが、巧みなバットさばきで全球打ち返した。緊張感からか最後まで松枝さんの制球は乱れてしまったが、吉田選手とトスの位置を会話で確認しながら、貴重な時間を楽しんでいる様子だった。
吉田選手が打撃練習を終えると、参加者がバッティング。まずは松田さんから。最初は詰まった打球が多かったが、慣れてくると芯で捉えるのはさすが野球経験者といったところ。その後も力強い打球を最後まで打ち返し続けた。終了後には吉田選手から「ミートポイントが良くて、力はあれでしたけど捉え方はすごくうまい」とお褒めの言葉が。これに対して松田さんは、うれしそうに「筋肉付けます!」
最後は松枝さんがトスバッティング。吉田選手が「行きましょう監督!」という掛け声とともに初球を上げると、松枝 “監督” も鋭い打球で応える。これには吉田選手も驚いた表情を見せた。打球を打ち上げることもあったが、芯でとらえた打球は吉田選手を唸らせるほど。「力強くて、そんなにクセもなくてさすが監督だな」と、オリックスの主砲に強打者の片りんを見せつけ、満足した表情で打撃練習を終えた。
打撃練習終了後には、2人から吉田選手へ質問が。松田さんが、「吉田選手が野球を通して世の中に伝えたいこと、野球選手としてのやりがいを教えてください」と投げかけると、「僕たちもファンあってのプロ野球だと思っている。必至にプレーしている姿を見せることによって、ファンのみなさん、そして野球にまだ興味をもっていない方にも球場に来ていただいて、こういうことやっているんだなというのを感じていただければ。そのために僕たちも頑張っていますし、良いプレーができればと思い日々練習をしています」と、吉田選手。
続いて、「打席に立っている時、応援歌は聞こえていますか?」と、松枝さんがプロ野球ファンにとって興味深い質問をすると、「大きな声援をいただいているので、耳にはもちろん聞こえるんですけど、僕も打席に集中しているので、ぼやーと聞こえる感じです。でもその声援が力になっているので、心強いです」と、吉田選手も笑顔で語り、「FA移籍体験」は終了した。
「トスを投げる場所が悪く、『吉田選手の調子を崩してしまって、今シーズンの成績が悪くなったらどうしよう』という気持ちもあったんですけど、吉田選手の巧みなバッティング技術で難なく打ち分けてくれて楽しくできました(笑)。自分のバッティングではパワーが足りないというご指摘をいただいたので帰ったら筋トレをしようと思います」と松田さん。
一方の松枝さんは、「動き一つ一つに無駄がない、本当にきれいな動作をされていて、例えば立っている姿勢とか、歩く姿勢。もちろんバッティングのフォームもですが、全部ロスがなくさすがだなと感じました。打球は早かったので目で追うのが大変でした。今回の経験を野球少年や、まだ野球に関わっていない子どもたちに伝えてオリックスファンを増やします!」
普段、スポーツ関連の仕事をしている松田さんは、今回の体験についてこう締めくくった。「野球を通して人々に元気を与えること、私が元気を与えるということではなくて、吉田選手のプレーであったりお人柄を、ファンの方、まだファンではない方にも広げて行けるように、私も仕事を頑張りたいなと思います」
文・東海林諒平
パーソルグループ パ・リーグ特設サイト
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