唐川侑己~2020年は勝ちパターンとして防御率1.19を記録。カットボールを操るリリーバー~(千葉ロッテマリーンズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2020.3.1(日) 17:36

千葉ロッテマリーンズ・唐川侑己投手(C)パーソル パ・リーグTV
千葉ロッテマリーンズ・唐川侑己投手(C)パーソル パ・リーグTV

唐川侑己(からかわ・ゆうき)/投手

#19/1989年7月5日生まれ
181cm・87kg/右投右打


 地元千葉の成田高校から2007年の高校生ドラフト1巡目でプロ入り。球速の差が少ない直球とスライダー(カットボール)を主体に、緩く大きなカーブや目先を変えるスプリットといった球種を交えて打者を打ち取っていく右腕だ。高卒1年目の2008年に早くも5勝を挙げると、2年目の2009年から先発ローテーションに定着。2011年には12勝6敗、防御率2.41という好成績を残し、次代のエースとして大きな期待がかけられた。

 しかし、その後は相次ぐ怪我に悩まされたこともあり、2013年からは成績も徐々に悪化。試行錯誤を重ねた2016年には15試合で6勝6敗、防御率2.84と復活を感じさせる成績を残したが、翌2017年には21試合で5勝10敗、防御率4.49と再び不振に陥ってしまう。2018年も4度の先発で1勝3敗、防御率5.48と苦しんでいたが、シーズン途中のリリーフ転向が大きな転機となる。

 8月に中継ぎとして一軍に昇格してからは21試合で自責点わずか1と抜群の安定感を見せ、短いイニングを任されたことで生命線だったストレートの威力や制球力も復活。直球との微妙な違いが効果を生んでいたスライダーや、その2球種との大きな球速差が武器のカーブもより生きるようになり、投球内容にも相乗効果が生まれている。2019年は開幕からリリーフにまわり、40試合で14ホールドの成績を残した。

 2020年は7月下旬に一軍に合流、防御率1.19の好成績でシーズンを終え、勝利の方程式としての役割を存分に果たした。若かりし日とは役割こそ違えど、完全復活を強く印象付けている唐川投手に2021年も注目だ。

【2020年一軍成績】
32試合1勝1敗 14ホールド 30.1回 23奪三振、防御率1.19 WHIP1.02


(2021/2/4追記)

文・望月遼太

唐川侑己投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事

「確信」とともに、千葉ロッテ・唐川投手が再び歩みを始めた
2016年に5年ぶりの完封勝利を飾った際の記事。先述のようにこの年は先発として防御率2点台と復活の兆しを見せていたが、その裏には故障を経て自分を見つめ直した日々の積み重ねがあったようだ。

二軍で課題と向き合い虎視眈々と出番を待つ千葉ロッテ・唐川侑己投手
唐川投手は2018年も中盤戦までは先発として調整を続けていたが、その時期にも本人は確かな手ごたえをつかんでいたようだ。突如崩れるシーンが目立って先発ローテーション定着は果たせなかったが、その手応えが短いイニングを任されたことによって結果としても表れ、復活につながったという面もあるかもしれない。

かつての2桁勝利右腕が新しい戦いの場へ。千葉ロッテの背番号19による新たな挑戦
プロとしてのキャリアの大部分を先発投手として過ごしてきた唐川投手にとって、登板までの準備方法や、試合中の過ごし方といった部分が大きく異なるリリーフとしての挑戦は、まさに手探りから始まっていたようだ。この記事では、唐川投手本人のコメントを交えながら、その時期の体験談を紹介している。

得失点差-18でリーグ2位。千葉ロッテの快進撃を可能にした、投手運用の“管理力”に迫る
唐川投手、ハーマン投手、澤村拓一投手、益田直也投手といったリリーフ陣をうまく運用し、Aクラス入りを果たした千葉ロッテ。さまざまな観点から投手運用に迫っている。

☆唐川侑己投手の動画はこちらから!

記事提供:

パ・リーグ インサイト 望月遼太

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