
ソフトバンク育成8位指名の中大準硬式野球部・大山北斗投手(21)が29日、東京・八王子市の同校で指名あいさつを受けた。準硬式出身者では23年ドラフト5位のオリックス・高島以来の指名となる右腕は名前の通り、道しるべのような存在になると誓った。
山本スカウティングスーパーバイザーと福元スカウトが同校を訪れあいさつ。23日のドラフト会議から約1週間。大山は「昨日も緊張で寝られなくて。中大準硬式野球部からは初のプロ野球選手ということでプレッシャーもあったんですけど、振り返ってみると常に下克上してきたので、プロでもやっていけるという覚悟をこの1週間で決めました」と初々しさ全開ながらも、同校準硬式野球部の小泉監督が「人なつっこい性格で人の懐に入るのがうまい」と称したように、時折柔和な笑顔を見せながら会見を行った。
最速152キロの直球と「三振も多く取れて、入学後はほとんど打たれていない」というフォークを筆頭に、8種類の変化球を操る。理想は落差の激しい“お化けフォーク”を武器に育成選手からメジャーリーガーに上り詰めたメッツ・千賀と、テンポのいい投球で打者を圧倒するドジャース・山本を「足して2で割ったような」最強投手だ。
下克上の野球人生を歩んできた。中学時代は常に1回戦負けの全くの無名選手。興南に進学すると、チームメートの巨人ドラフト3位左腕・山城京平に注目が集まることが多く、陰に隠れる存在だった。大学では「コロナ禍でも熱心に足を運んでくれた」という小泉監督の熱意にひかれ、「ご縁を信じて」準硬式野球部を選んだが、ここでも一番に注目を集めるのは硬式野球部。そのような環境下でも腐ることなく鍛錬を積んで悲願のプロ入りを果たし、「(山城らと)同じ舞台に立てたのは自分がずっとやってきたことが正解だったんだって思えたし、ここからがスタート。一番下からはい上がるのは得意」と自信をのぞかせる。
「北斗」という名前は古くから旅人の目印である「北斗七星」が由来。「準硬式の星になってずっと輝いていられる存在になりたい」。今秋ドラフト最後の116番目からはい上がり、“準硬式野球界の北斗七星”になる。(大中 彩未)
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