
◆パ・リーグ 楽天1―10ソフトバンク(17日・山形)
母の故郷で熟練の技を示した。ソフトバンク・和田毅投手(42)が10年8月4日の日本ハム戦(旭川)以来13年ぶりの地方球場登板で、今季最長の6回を投げて3安打1失点。6回2死からこの日最速の146キロを計測するなど、20歳年下の荘司との投げ合いを制して、チーム最多タイの3勝目を挙げた。
「山形で投げられるなんて夢にも思ってませんでした。ウィニングボールはおばあちゃんの家に贈りたい。去年、祖父が95歳で亡くなったので、墓前に球を届けるという意味でもきょうの勝ちは大きかったと思います」
母・照子さんは山形・鶴岡市出身。小学生の頃、夏休みは母の実家で親戚と遊んだ。「家の中に入ってくるオニヤンマを捕まて、アブを退治したり(笑い)。裏山でそりをやったり、庭で弟とキャッチボールをした記憶もあります」。プロ入り19年目で初の山形での登板で、山形市も初訪問だが「運命というか、ここまで野球をやってきたからこそ、巡ってきたと思う」としみじみと喜んだ。
「祖母もだいぶ高齢ですし(自宅から山形市まで)3時間ぐらいかかってしまうので」と球場での観戦はかなわなかったが、テレビの向こうで親族も喜んでいたに違いない。
チームは91年から足かけ33年で山形7連勝。「(和田は)よく投げてくれたと思います」と藤本監督。NPB通算2000投球回まで2イニングまで迫った左腕の“孝行”はまだまだ続く。(中村 晃大)