千葉ロッテ藤岡、名誉挽回の決勝2ランも…同僚の祝福を「覚えていない」ワケ

Full-Count 岩国誠

2019.9.2(月) 07:15

千葉ロッテ・藤岡裕大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・藤岡裕大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

失策直後に復帰戦を飾る1号2ラン「迷惑をかけていたので、絶対に打ちたい」

■千葉ロッテ 8-6 オリックス(1日・ZOZOマリン)

 右大腿二頭筋損傷で登録を抹消されていた千葉ロッテ・藤岡裕大内野手が1日、1軍に復帰し「8番・遊撃」でスタメン出場。自らのミスをきっかけに同点とされた直後の7回、名誉挽回となる今季1号決勝2ランを放ち、復帰戦を飾った。

 7月20日に右大腿二頭筋損傷(肉離れ)で今季2度目の抹消となっていた藤岡。2度の肉離れに「試合を見るのも辛いくらいだった」と自らを責めることもあったという。だが、「しっかり治さないとまた同じことが起きる」と慎重にリハビリを続け、8月24日の2軍戦(対東京ヤクルト)に代打で実戦復帰。2軍の6試合で19打数11安打(打率.579)の成績を残し、この日の1軍復帰となった。

 復帰1打席目は四球を選び出塁。迎えた2打席目は4回、無死一、三塁の場面から中犠飛を放ち、チーム初得点。この回一挙5得点の猛攻へとつなげた。しかし7回、2死から3番・吉田正の遊ゴロを、藤岡が一塁へまさかの悪送球。これを起点にオリックスが2点を追い上げ、6-6の同点に追いつかれた。

 雪辱の機会はすぐに訪れた。直後の7回裏、1死から中村奨がオリックス6番手・近藤から左中間を破る二塁打を放つと、「ピッチャーにすごい迷惑をかけていたので、絶対に打ちたい」と藤岡がこの日4度目の打席へ。「真っ直ぐだけ狙って、思い切って行くつもりだった」。高めボールゾーンの直球にその言葉通りにバットを振り抜き、打球は千葉ロッテファンで埋め尽くされた右翼席へと吸い込まれた。

 復帰初安打は、今季1号となる勝ち越し2ラン。「1軍復帰したばかりで、まだ体が元気ということもありますが、やっていることはある程度できたと思います」と会心の一発を振り返り、「これからどんどんいい結果を残していければ」と今後の打撃での貢献を誓った。

「こういう結果になることはそうはないので、まずはしっかり守備をやりたい」

 殊勲者を出迎えるベンチ前のハイタッチ。藤岡はチームメートからの声を「あまり覚えていない」という。「前の守備(送球ミス)があったので、あまり切り替えることができなかったというのがあったので。種市の勝ちを消してしまったというのは本当に申し訳ないと思います」。失策のことが頭から離れなかった。「こういう結果になることはそうはないので、まずはしっかり守備をやりたいなという思いが強い。今日は反省が大きいかなと思います」と勝利の余韻ではなく自らのミスを深く反省し、今後への糧としていた。

 ペナントレースも残り20試合を切り、今後の1戦1戦の勝敗が重要となってくる。「本当にミスが命取りになってくるので、しっかり守備をやらなくてはいけないですし、守備の面で考えないとダメだという部分が出てきたので、そこを早く修正できるように頑張りたい」。この日のヒーローは改めて守備の重要性を省みて、自らにハッパをかけた。

 井口監督からも「守備のミスを取り返してくれた。今年はシーズン最後まで戦うと(選手たちに)言っている。2度離脱しているので、それをしっかり取り返してほしい」と活躍を期待されている2年目の遊撃手。「こうやってチャンスをもらえたのでCSへ向けて頑張ります」。すべてを乗り越える覚悟で、残り試合も戦い続ける。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

記事提供:Full-Count

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