8月29日、楽天生命パーク宮城で行われた楽天と千葉ロッテのカード3戦目は、千葉ロッテが5対4で延長戦に勝利。同点で迎えた10回表、井上晴哉選手が決勝アーチを放ち、ついにAクラスに浮上した。
試合は昨夜に引き続き、拮抗した展開となった。まずは楽天が初回、千葉ロッテの先発・ボルシンガー投手から1番・茂木栄五郎選手、2番・島内宏明選手の連打で1,3塁のチャンスを作ると、内野ゴロの間に1点を先制する。
追いかける千葉ロッテは3回表、荻野貴司選手のレフト前で同点に追い付くが、その裏、先発のボルシンガー投手が自らの失策で2対1と、再びリードを許した。
1点差で中盤に入ると、楽天は5回裏、浅村栄斗選手と銀次選手に適時打が飛び出し、4対1とリードを広げる。そのまま流れを引き寄せたかに見えたが、6回表に千葉ロッテが反撃。無死1塁から2番・鈴木大地選手が、1失点の好投を続ける楽天の先発・美馬学投手の高めの変化球を捉え、ライトスタンドへの15号2ランを放つ。さらに敵失の間に1点を加え、試合を振り出しに戻した。
終盤は両チームの中継ぎ陣が好投し、試合は延長戦へ突入。楽天はパ・リーグ記録となる月間9度目の延長戦となった。
10回表、千葉ロッテが試合を決める。1死から4番・井上晴哉選手が、楽天の守護神・松井裕樹投手の直球を振り抜き、バックスクリーンへ勝ち越しの23号ソロ。そして10回裏は、益田直也投手が1点リードを守り切り、5対4で試合終了。
勝利した千葉ロッテは3回と6回に同点に追い付く粘りを見せ、最後は4番の一振りで試合を決めた。先発のボルシンガー投手は5回4失点も、6回から5投手が無失点に抑えて、流れを完全には渡さなかった。
敗れた楽天は、先発の美馬投手が6回途中4失点(自責3)で「点を取ってもらったのに、自分のせいで追いつかれてしまって。援護してくれた野手のみんなにも、早く投げることになってしまった中継ぎのみんなにも申し訳ないです」とコメント。また、守護神がまさかの決勝アーチを浴び、チームは千葉ロッテにゲーム差なしの3位につかれた。
文・沼田悟
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