7月10日、楽天生命パーク宮城で行われた楽天対オリックスの3連戦・最終戦は7対6でオリックスが辛勝。両軍総力戦となった白熱のペナントレース前半戦・最終戦は粘り強さが命運を分けた。
オリックスは楽天の先発・岸孝之投手の立ち上がりを攻めた。岸投手の四球などで得点圏に走者を進めると、吉田正尚選手が「しっかりと自分のスイングで打つことができました」と振り返る適時二塁打を放ち、先制に成功する。
続く2回表にも、先頭・中川圭太選手が中安打と盗塁で好機を作ると、小島脩平選手がタイムリーで応えて1点を追加。さらに大城滉二選手が2点適時打を放って4対0と序盤から試合の主導権を握った。
直後の2回裏の楽天の攻撃、オリックスの先発・鈴木優投手から2四球を選んで出塁すると、嶋基宏選手が「先制されていたので、ランナーを返すことだけを考えていました。しっかり返せて良かったです」と語るタイムリーで1点を返し、1対4に。プロ初先発だった鈴木優投手は後続打線を断つも2回1失点でマウンドを降り、「投げ急いでしまう場面が多く、苦しいピッチングになってしまいました。もっとバッターと勝負していかなければいけませんでした」と悔しさをにじませた。
試合が動いたのは6回裏。オリックスの3番手・近藤大亮投手に楽天のブラッシュ選手、銀次選手が連打を浴びせるなど2死満塁の好機を得ると、ここで藤田一也選手が2点タイムリーを放って3対4。1点差に詰め寄る。
7回表、オリックスが得点圏に走者を出すと、大城選手が本日2本目のタイムリーを放って得点。しかし7回裏、オリックスの4番手・海田智行選手へ楽天・下水流昂選手が左安打で出塁すると、代わった比嘉幹貴投手の初球・ストレートを浅村栄斗選手が右翼席へ運び、5対5に。この第17号2ランで試合は振り出しとなった。
さらに8回表、オリックスの宗佑磨選手が楽天の3番手・ブセニッツ投手から三塁打を放つと、暴投の間に本塁へ還るが、8回裏にはオリックスの6番手・エップラー投手に山下斐紹選手、藤田一也選手、渡邊佳明選手が3連打を浴びせて点を返し、6対6に。9回は両軍得点ならず、試合は延長戦となる。
10回表、楽天の松井裕樹投手から吉田選手が中安打を放つなど好機を作ると、宗選手がタイムリーで応えて勝ち越しに成功する。勝ち逃げを狙う10回裏はディクソン投手が無失点で抑え、7対6で試合終了。
両チームの投手陣が精彩を欠き点取り合戦となったが、粘り強さを見せたオリックスが勝利。大城滉二選手が2安打3打点の活躍で勝負強さを見せた。
文・今泉友香
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