千葉ロッテ種市、進化した姿を見せた7回3失点 「もう1イニング行きたかった」

Full-Count 岩国誠

2019.6.7(金) 08:40

千葉ロッテ・種市篤暉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・種市篤暉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

交流戦で初先発、7回3失点の好投を見せた3年目・種市

■阪神 4-3 千葉ロッテ(交流戦・6日・ZOZOマリン)

 千葉ロッテの3年目右腕・種市篤暉投手が6日の阪神戦で交流戦初先発。序盤に3点を失ったものの、中盤以降立ち直り、7回を103球3失点。チームは敗れたものの、先発としての役割を果たした。

 5月30日の北海道日本ハム戦、4回8失点KOとなった前回の悪夢を払拭すべく、マウンドに登った種市。その立ち上がりは「ストレートに強い印象がありますし、足も速いので出すと気にしてしまう」と、打線で最も警戒していた1番近本を、フルカウントからその直球で見逃し三振。この2試合でいずれも初回に出塁し、かき回されたリードオフマンに仕事をさせなかった最高のスタートを切る。しかし「3人で終わりたかった」という思いが力みにつながったのか、続く2番糸原に、2球目の直球を中前安打されると、その後2死二、三塁のピンチから5番マルテに2ストライクと追い込みながらも、3球目をはじき返され中前適時打で、2点を先制された。

 3回にも味方の失策から1点を失い、序盤で3失点。「今日の入りはふわふわした感じがありました」と、感覚的な部分での微妙なズレを感じながらの投球に「無駄な力みもあったと思います」と、失点につながった自らの投球を振り返り、反省材料に挙げた。

 しかし、4回以降は1安打1四球4三振。阪神打線に付け入る隙を与えず無失点ピッチングを展開し、自身今季最長イニングとなる7回を投げ103球、5安打3失点。試合を作り、9回の同点劇へとつなげることとなったが、立ち直った理由はどこにあったのか?

「2回以降は開き直って投げていました。『強いボールで(ストライク)ゾーンで勝負しよう』と、自分の中で切り替えることができました。厳しいコースではなく、思いっきり投げてファールを取って、フォークで落とすっていうイメージで投げていったことがよかったんじゃないかなと思います」

前回の反省を生かし、フォームのクセへの対策も

 どんな投手でも立ち上がりは難しいと言われているが、そこを超えていかないことには、勝利にたどり着くことは難しい。改善策については技術的な部分ではなく「気持ちの面」だと、種市は捉えている。開き直りが自らの投球スタイルを思い出させ、その結果「失点はしましたが自分の中では、3回から感覚的には良くなって行っていた」と、初回からあった「ふわふわ感」もなくなり、しっかり腕を振って投げることで、状況は好転して行った。

「(ボール自体は)よくも悪くもないという感じでした。フォークで空振り三振が取れていましたが、あまりいい感触ではなく落ちていなかった。腕が振れていた分、打者はストレートと迷ったんだと思います」と話し「もっと腕を振っていきたい」と、投球の原点の大切さを再確認していた。

 前回8失点の要因となったフォームのクセへの対策も行い「違和感なくできてましたし、自分のリズムで投げられていたと思います」と、その部分についても手応えを感じていた種市。立ち上がりこそ課題が残るが、中盤以降、修正して見せての7回3失点。先発としては十分な役割を果たすこととなった。

 3勝目をあげた5月16日のオリックス戦では、続投意欲を見せながらも6回で降板。今回はその時より投球回が1イニング延び、今季最長イニングとなったことに触れると「もう1イニング行きたかったです! 自分の中では」と、力強い言葉で即答した種市。「中6日で投げるピッチャーなら115から120球は投げたいと、自分の中では思っています」と、先発投手としての理想は高い。ただ「まだシーズンもはじめの方だと思いますし、気を使ってくださっているのだと思います」と、段階を踏んでの成長を考慮している首脳陣の思惑も十分に理解している。

 昨年のプロ初先発から、福岡ソフトバンク千賀投手との自主トレ、ロングリリーフでの開幕1軍、プロ初勝利と短期間で多くの経験を得ながら、成長を続ける種市。自ら望む高い理想に向け、日々課題と向き合いながら、成長を続けていく20歳の右腕。次回登板が予想される13日の横浜DeNA戦では、どんな姿を見せてくれるのだろうか。高鳴る期待が鳴り止まない。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

記事提供:Full-Count

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